【S40News!】写真で見るトヨタ「86 (ハチロク)」

トヨタは東京モーターショー2011にプロトタイプモデルとして出展した、小型FRスポーツ86(ハチロク)を4月6日より発売する。

あちこちで既報のとおり、『86』は「直感ハンドリングFR」をコンセプトに、スバルと共同開発した後輪駆動の小型2シータースポーツである。2.0リッターの水平対向エンジンをフロントミッドシップに搭載し、超低重心FRパッケージを採用しているのが特徴。ネーミングは昭和40年男なら当然知っているであろう80年代の名車AE86型カローラレビン/スプリンタートレノ(1983-1987 通称:ハチロク)からきている。「あざとい」とか、「ベタすぎる」とか、「いまさら?」などといった声も聞かれるが、我々がこのネーミングに期待してしまう部分があるのも確か。スポーツカーが売れない時代に、新たな挑戦をしたという意味では評価したくなるモデルだ。ここでは、発表されている写真とともに、86を細かく紹介したい。


スタイルは独立したトランクを有する3ボックスのノッチバックスタイル。ネーミングから期待されるAE86とは全く異なるデザインが与えられている。重量感や張り出し感の強調されたメリハリの効いたボディデザインだ。


リヤはヨーロピアンタイプのテールランプが特徴的。張り出したリヤフェンダーが力強さを強調。


専用設計の軽量、コンパクトなFRプラットフォーム。量産4人乗りスポーツカーとしては、世界最小サイズを実現されている。微小な操舵入力などでも高い応答性を実現するために高いボディ剛性を確保。フロントサイドメンバー、ロッカー、リヤサイドメンバーの結合構造の最適化を図り、骨格全体の剛性を高めています。操舵に対して俊敏かつリニアな挙動を実現しているという。ルーフやピラーなどに超高張力鋼板の採用を拡大するとともに、ルーフ中央を絞ったパゴタルーフを採用して軽量化を実現するとともに、最適な重量配分のために、特にフロント部を軽量化。エンジンフードのアルミ化やフェンダーの薄板化を実施し、フロント部の重量削減によりヨー慣性モーメントの低減に寄与している。


水平対向エンジンを核とした超低重心FRレイアウト。パワートレーンの重心を前輪車軸より後方に置く、フロントミッドシップレイアウトを採用し、重量配分の最適化を図っている。水平対向エンジンは、重心が直列エンジンに比べて低いため、ロール慣性モーメントが小さく、かつ車両中央近くに配置したことによりヨー慣性モーメントも低減、操縦性・走行安定性の向上に大きく貢献。さらに、アクセルで車体の向きをコントロールする、FR本来の楽しさを無理なく自然に体感するために必要となる最適な前後重量配分としてテストを繰り返した結果、前後比は53:47としている。


フロントサスペンション(左)は、軽量かつ高剛性なマクファーソンストラット式。低重心を視覚的に強調するフードを低く抑えたデザインを実現するために、ストラットマウントをできる限り低くするレイアウトとしている。リヤサスペンション(右)は、ダブルウィッシュボーン式を採用。気持ちのよいロール感を追求するため、取付部剛性の向上、ブッシュばね特性の最適化を進めるとともに、さらにフロント・リヤのロールセンター高を最適化。FRスポーツならではの気持ちよさ、クルマとの一体感(リヤグリップの明瞭さ)、軽快さと安定感の両立を目指している。


前後輪共にベンチレーテッドディスクブレーキを採用。また、ブレーキキャリパーに効率よく風を送り込む工夫により、ブレーキの温度上昇の抑制にも配慮しているという。


次世代燃料噴射システム・D-4Sをスバルの水平対向エンジンと組み合わせた、新開発の1,998cc 水平対向 DOHC 4気筒エンジンを搭載。ボア×ストローク86×86mmという高出力・高回転化エンジンである。次世代D-4Sは、筒内直接噴射と吸気管内に噴射するポート噴射の2種類の噴射方式を備え、すべての回転域で最適な制御を実施。また、次世代D-4Sにより高圧縮比化(12.5)を実現するとともに高回転ユニットとすることで、幅広い回転域で高出力・大トルクを引き出し、リッターあたり100馬力を実現。さらにコーナリング時、アクセル操作に対して左右駆動輪に最適なトルクを配分することで高いトラクション性能を確保し、鋭い立ち上がりと高い走行安定性・操縦性に貢献するトルセンLSDも搭載する。

インストルメントパネルは、左右対称の構成。これは車体の姿勢変化を瞬時に判断できるようにという配慮から。また、車両の中心を直感的に判断できるよう、インストルメントパネル上部中央にはマーキングが施されている。

三連中央のタコメーターに、瞬間燃費・平均燃費、外気温、ODO/TRIPメーター、シフトポジションを表示するマルチインフォメーションディスプレイ。マニュアル車には、シフトアップに最適なタイミングで点減し、エコドライブをサポートするシフトアップインジケーターを採用している。また、一部グレードにはタコメーターにREVインジケーターを設定。エンジン回転数を予めセットしておくとランプとブザーで知らせ、直感的なシフトアップ操作をサポートする。


6速マニュアルトランスミッションを搭載。1〜3速にトリプルシンクロを、さらに、シフト系を一新し、大幅にフリクションを低減させることで、スポーツカーにふさわしいショートストロークと剛性感のある心地よい操作力を両立している。また、ひじの干渉を防いで快適なシフト操作を実現するために、センターコンソールの高さは抑えられており、操作性が配慮されている。サイドブレーキをシフトノブのすぐ横、ドライバー側に配置しているのもニクイ。

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