昨日、江口寿史さんによる影響についてつぶやいたが、槇村さとるさんもまた僕の人生に強く関与したマンガ家さんだ。同世代男性諸氏には縁遠いかもしれないが、写真の3作品が僕の本棚に収まっている槇村さん作品で、最初に出会ったのは中央の『ダンシング・ゼネレーション』だ。主人公のダンサー、萩原愛子に強くシンパシーを持った。僕が描いていたシンガーの夢を、愛子はダンスで見事に実現する。そこには多くの葛藤とLoveが描かれていて、ダンスに関してはかなりスポ根であり、恋愛に関しては女性作家らしさがあふれていて僕を虜にした。
高校3年生の時に単行本を借りて夢中になって読んだ。そして彼女に憧れた僕は、同じようにニューヨークに住んで修行することを本気で目指した。いやっ、本気だったらもっとちゃんと金を貯めただろうな。
10代のうちに経験したかった。中学から続いていたバンドのメンバーとは良好な関係で活動を続けていたが、将来プロとして飯を食うのにそのままのレールが安穏に感じられたのだ。一度自分を厳しい環境に追い込み、スポ根のごとく修行の日々を過ごすのだ。愛子にできたのだから僕にだってと誓ったのだが、結果的に金は貯まらずちょっぴりダウンサイジングさせたのが、昭和60年の4月に旅立った大阪だ。この経験がニューヨークだったら、もっととんでもない経験がたくさんあっただろうが、大阪は僕の人生に極めて大きな日々となったし第二の故郷になった。
と、なんでそんな話を引っ張り出したかといえば、もうすぐ創刊する『昭和45年女・1970年女』において槇村さとるさんは恰好の取材対象者である。てことは、実現すればご本人にお礼が言えるじゃないか。な〜んてワクワクしてしまうほど萩原愛子は恩人であり、生みの親である槇村さとるさんにはどう感謝の気持ちを伝えようかと悩んでいるほどだ。うーむ、その日が来ることを祈っている今日は、発売まであと5日のカウントダウンだ!!