東海道五十三次の旅。

先週末から昨日にかけて『東海道徒歩の旅』の取材に出かけてきた。前回ゴールの四日市から歩き始めて、すこぶるいいペースで距離を重ねていき、東海道と中山道の合流ポイントとなる草津を今回のゴールにした。最終目標地点の京都はもうすぐそこにまで迫っていて、次の取材での連載終了はほぼ確実になった。この旅最後の難関であると思われた鈴鹿峠越えは、旅慣れた俺たちコンビには丘程度にしか感じさせず、楽勝だった。人間の身体ってのはホントにスゴいものだ。2ヶ月に一度なのに、足が旅仕様にカスタマイズされているかのような、快調な足さばき(!?)だった。前回、靴に泣かされ、箱根駅伝でいうところの大ブレーキとなったキンだったが、今回は新たなシューズを手に入れ万全でのぞみ、完璧なウォーカーぶりを見せた。読者の皆さんが期待するようなトラブルはなく、きっと爽やかなページとなるだろう(やっているやつらが暑苦しいから無理か)。

ここにきて不思議な感情が芽生えてきた。ゴールしたくない。この旅を終えたくないとの気持ちを、取材2日目に持ったのだ。それは、古(いにしえ)の男たちと、繋がってゆく感覚を楽しみながら旅を続けてきたからだろう。今までの旅でも大きなテーマだったが、東海道は格別なのだ。積み上げられてきた時間の重みを感じられる。旅人を迎え入れる地の心が脈々と受け継がれていることなどなど、“繋がっていく感覚”をめいっぱい吸い込みながら歩き続けた。しかも、長旅だから自分にどんどん染み付いていって、足だけでなく、心も旅仕様にバージョンアップされた。だからだ、東海道を歩ききった達成感よりも、この日々を終えてしまう寂しさが大きくなる。次にカラオケに行ったら『時間よ止まれ』なんて歌うのだ。

今回のロケで、初めて上洛という意識も芽生えた。行程上の結果ではあるが、街道2大ビックスターの合流地点を今回のゴールしたことが、上洛気分をますます高めてくれた。次回の取材まで様々な想いや夢を膨らませながら、贅沢に過ごせる。2ヶ月後の草津から京都までの路は、短い距離ながらきっと様々なハイライトシーンを見せてくれることだろう。そこへと続いていくセミファイナルをご紹介するのは、次号3月11日発売号です。乞うご期待!!

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