怪物、江川 卓を語る達川光男 ~大編集後記。

 

最新号は毎度のことながら汗の滴るページが多い。だからね、今日も元気にナウ・オン・セールのvol.67紹介をつぶやかせていただく。連載特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』で取り上げた昭和48年の出来事から、選抜準優勝と夏を制した広島商業高校の強さを、レギュラー捕手だった達川光男さんが振り返る壮絶なページができた、えっへん。

 

思い出す。野球好きの親父が何度も僕に言っていた。新潟にとんでもない高校生ピッチャーがいると。そして後にもよく語っていたのが「江川は高校時代が一番速かった」と。巨人戦を見ながら晩酌している親父が言いたいことの受け皿は長男の僕だった。その幸せそうな姿を見て育った僕だから、いつか同じような時間が作れることを夢見て育った。幸せってこういう瞬間を指すのだろうと、子供心に憧れていた。野球と寅さんを、晩酌しながらブラウン管越しに観るのが大好だった親父の至福は、そのまま僕に色濃く受け継がれていて、だから僕にとって大好きな寅さんはテレビで楽しむものである。初めてスクリーンで観たのは去年のことだ。でもDVDは全てコレクションしている。

 

いやいや、高校野球の話だ。選抜で江川さん率いる作新学院を攻略した作戦と、勝利を目指したど根性の日々を、達川さんがたっぷり4ページ語っている。ど根性については僕ら世代もそうだが、さらにひどい。10年先輩はそこまでのシゴキに耐えて甲子園に出てきたのだなと、あらためて時代の熱量にうなずいた僕だ。現代社会では完全にアウトになってしまったが、常々思うのは俺たち世代のメディア人たちがないものにしようとしていることが悲しい。ふた言目にはコンプライアンスだハラスメントだと弾圧して、自分が育った環境なのにまるで臭いものには蓋をするような社会が、いい方向に行くとはとても思えないのだが。

 

いやいや×2(笑)、高校野球の話だ。江川さんを攻略するために的確な指示と練習をして臨んだ監督の作戦とは? これはページを読み込んでうなずいてほしい。って、このつぶやき読者は皆さん既に読んでいるよなあ。もしも、まだ迷っている方がいたらぜひっ。巻頭特集だけでなく、今回の連載特集『夢、あふれていた俺たちの時代』も力の入ったいい記事が並んでいるぞ。これで780円は安いでしょ!! 買いでしょ!!

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