ローランドは、フェンダー社と共同開発したギターVG StratocasterR『G-5』とGK-Ready Stratocaster『GC-1』を、2012年2月下旬から販売する。
VG Stratocaster『G-5』は、フェンダー・ストラトキャスターに、ギター各弦の弦信号を独立して抽出するローランドのピックアップ技術と、ギター音のさまざまな構成要素を精密に再現するCOSMギターモデリング技術を搭載することで、ギター1本で多彩な演奏表現を可能にしたモデル。ストラトキャスター本来のサウンドはもちろん、アコースティックギターやテレキャスターなど、数種類のギターサウンドを、つまみを切り替えるだけで再現できるのが特徴。さらに、従来のギターでは出せなかった幅広い音域と太い音を両立する『ワイド・レンジ』や、ハムバッカーのパワーを持ちながら高域の抜け感を実現した『ブライト・ハムバッカー』などの新次元のサウンドもつくり出せるという。
一方のGK-Ready Stratocaster『GC-1』は、ローランドのVギターシステムや、ギターシンセサイザーと専用ケーブルで接続することによって、独創的なサウンドをつくり出せるモデル。チョーキングやビブラートなど、ギターならではの多彩で繊細な演奏テクニックを活かしながら、ギターモデリングやシンセサイザーサウンドなど自由度の高い音づくりが楽しめるのがウリだ。
ローランドは、77年に世界初のギターシンセサイザー『GR-500』を発売、さらに95年には一本のギターで数種類のサウンドを再現できる世界初のモデリングギター『VG-8』を発売し、新しい提案をしてきた。一方のフェンダーは、“ストラトキャスター”や“テレキャスター”の名を出すまでもなく、1946年から60年以上に渡ってエレキギターの雄として市場をリードしてきたのはご存知の通りだ。両社は07年に提携、ストラトキャスターに、ローランドのモデリング技術を搭載した『VG Stratocaster1』が発売され話題を集めた。今回発表された2モデルは、この両社の関係をさらに深めることによって生まれたものといえよう。
アコースティックからエレキへと進化してきたギター。本モデルはそのギターの持つ表現力をさらに進歩させようとするものと思われる。また、ギター市場にローランドが本格参入するという意味でも、注目の集まるリリースといえそうだ。