クレクレタコラの摩訶不思議な世界 〜大編集後記。

 

発売からもうずいぶんと経つような気がしなくもないが、まあいいだろう。今日も元気に最新号の自慢話である大編集後記をつぶやかせていただこう。

 

この素材を誌面に、しかも4ページにわたって使える雑誌は日本出版界広しといえ『昭和40年男』くらいのものだろう(笑)。だがきっと、多くの同世代諸氏は涙を流してこの記事を受け入れているはずだ。僕に詳細な記憶は残っていない。今見るとちょいとグロテスクに感じられるキャラクターたちをかすかに覚えている程度だが、特に主人公のタコラは強烈に記憶している。当時自然に受け入れていたのは、子供心に直接響く “何か” が潜んでいたからなのだろうか?

 

話をうかがったのは、大学在学中にこの作品で脚本家デビューした柏原寛司さんだ。このやんちゃなドラマの脚本を手がけた翌年には、“俺たち” のドラマ『傷だらけの天使』の脚本を書き、以降『俺たちの勲章』や『西部警察』などの石原軍団作品も手がけているとのことだ。うむ、これら名作の原点が『クレクレタコラ』だったとは、僕はお恥ずかしいことに今回の記事で知った。

 

柏原さんの話を読めば読むほど、現場には凄まじい感性が集っていたとわかる。そして子供向け番組を真剣に手がけた者たちからちょくちょく聞ける決めゼリフの、“決して子供向けに考えていなかった” という主旨の言葉を今回もいただけた。現場ではそんな男たちばかりが集い、俺たちに本気で打ち込んでくれたのだ。5分枠の番組ながら、俺たちの記憶に強烈に残っているのはそういうことだ。

 

すばらしい一言をここに掲載させていただく。「常に何かおもしろいことをやってやろうという意識で作っていましたから、その姿勢がこういう番組になったんだと思います」と。そしてこれに続く言葉もまさしくニヤリなので、まだ読んでいない方は絶対に見逃してはならない。こうした本気が投げ込まれていたことに感謝するとともに、やはり『昭和40年男』のテーマでもある、今俺たち世代が社会に対して恩返ししなければとの気持ちが高まるはずだ。奇跡の4ページを実にくどいが見逃す手はない

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