さあ、今日よりはしばらく最新号について振り返る、大編集後記をつぶやかせていただく。まずは特集のスタートとなる扉ページだ。毎度締め切り10日前に書き上げて、締め切り直前まで毎日ファイルを開き、そのたびにあーでもないこーでもないとなんらかの修正を加えるのを繰り返すのである。今回は書き出しをルンルンランランにしたことが、特集を見事に表現している。
ビジュアルは昭和39年の10月10日の東京オリンピック開会式でピシッと決まった。左上に配したのは相撲の北出と呼ばれたNHKの名アナウンサー、北出清五郎氏による実況の第一声だ。響き渡った明朗な声に多くの日本人が敗戦からの脱却を強く実感したのではないだろうか。涙を流した先輩もさぞ多かったことだろう。と、想像してしまう。扉でもそれにふれ、今回の特集は東京オリンピックの感動がイベント関連の仕事をする方々や、企業人たちの祭りスピリットに火をつけ、その後に次々とビッグイベントが生まれたと僕は言い切っている。生まれる以前の話だから少々強引な決めつけだと思えなくもないが、間違いなしだと確信して送り込んだメッセージである。
言うまでもなく、今回の東京オリンピックは問題ばかりで泣けてくる。ちょっと残念なのは、昭和39年よりも国からのパワーが感じられないことだ。これまた当時を生きたわけでないが、成功させようというパワーにあふれていたのは間違いない。50余年を経て、生活のありとあらゆる場面が便利になったが、いかんせんパワーがない。コロナにおける対策も先進国と思えないほどの体たらくと無策に、ジャパンジャンキーな僕は悲しい気分にさせられるばかりだ。以前も書いたが、偉大な研究者たちが雲の上でさぞ悔しがっているだろう。雲の上だけでないな。山中教授もきっと怒りを強くしているはずだ。
だから、今回の特集こそ皆さんに読み込んでいただきたい (もとい、いつもだ・笑)。熱を感じて、僕が断言したようにイベントをクリエイトするのじゃ。そんな類の仕事じゃないと言うなかれ、身の回りの小さなイベントでいい。社内とか町内会、家族とかそんな単位でいい。コロナでがんじがらめだから、アフターを狙って今からワクワクすればいいじゃないか。おバカのような書き出しだったが、今の日本に足りないのはルンルンランランだと常々思っている僕だ。しかめっ面でネガティブを言うことの方がインテリに見えるのだと勘違いしている。7月に迫った東京オリンピックだって、今の段階ではやれる方法を懸命に模索すべきだと堂々と訴える。ネガティブを並べるよりも、頭を使って模索する方が断然賢いし経験になる。オリンピックに限ったこっちゃない、万事がネガティブ主導になっている日本は今こそ昭和39年を見習え。そしてそれに続いたイベントに隠された熱と努力を本特集から学べ。だからね、皆さん必ず手に取ってちょうだいな。
p.s.『昭和40年男』ブロデュースの動画を発信している。ぜひご覧あれ!!