週が明けて、今日も書店さんからの追加注文が好調な最新号 (vol.11) だ。ご購入いただいた皆さん、いかがですか? 楽しんでもらっていますか? 今回初めて買った方には、よくわからない連載もあるだろう。特に最新号では p.64から掲載している「東海道キン・キタ徒歩の旅」は、今回初購入の方にはまさに「?」に違いない。解説をしながら、取材現場の裏側をお届けしたい。
一昨年の暮れに「呑んべえ万歳」という、僕の人生の全てをぶつけたと言ってもいい特集を組んだ。この特集内で、最高の一杯を呑むためには体を酷使することだとの見解から、徒歩の旅に出ようとなった。コースは悩んだ末、おっさん2人の大好きな箱根駅伝が近い時期の発売だからと、東京箱根を結ぶことにした。フラフラになりながらも4日間で歩ききった。ちなみにキンとは『昭和40年男』のエースである金子のこと。キタとはワタクシ、編集長北村である。見苦しい男2人だが、等身大の男たちが正真正銘やらせなしの徒歩を貫いたのは、全国約80万人の昭和40年男たちの涙を誘った (ホントか!?) 。 調子にのった我々は特集から派生的に連載に踏み切り、そのまま京都を目指そうとなったのである。忙しい現代人への提案としたいから、毎回2〜3日の日程で前回のゴール地点からスタートして、ひたすら西へと歩を進めて、すでに7回の連載となっている。
皆さんが手にしている最新号は、これまでで最も苦しい旅となった。「キンちゃん、今回はもうおしまいにしようよ」「いや、せめて四日市まで」とは、最終日のリアルな会話だ。誌面でもわかる通り、キンは本当にフラフラだった。僕も靴でよく後悔するのでわかる。痛み始めた時にはもう手遅れで、一歩、また、一歩と悪化していくものだ。ましてや冷たい雨にやられ、心まで折れてしまう。だが彼は、せめて四日市までと足を止めなかった。いや、ほぼ止まっていたと言っていいペースだった。時速1〜2kmにまで落ちたものの、なんとか行軍を終えたキンは、自分の足の痛みに堪えながら「申し訳ない」を繰り返していた。おーっ、涙なくして読めなくなったでしょう (笑) 。
ゴールを決めた四日市へ向け、今週の土曜日早朝に編集部を後にして移動し、昼前にスタートしようと予定していて、月曜日までの3日間の旅に出る。縁起がいいことに今年1発目の取材だ。土日が休みの方はぜひ合流、もしくは夜の打ち上げにご参加願いたい。旅は道連れ、世は情け。見どころの少ないコースとなりそうなので、飛び入りによって変化がつけば誌面としてうれしいことこの上ない。どこら辺にいるかをツイッターでつぶやくようにしますので、要チェックだ。
片割れのキンです。初日は四日市から伊勢道との分岐点・日永の追分を越えて鈴鹿サーキット周辺をかすめつつ亀山ゴールの予定です。2日めはいよいよ東海道西側の大スター・鈴鹿峠越えです。下り滋賀県のどこまで行けるか。みんな一緒に歩こうよ! 僕たちの酒は楽しいぜ。