会社のある浜松町とマイホームタウンの下丸子や蒲田では、残念ながら力尽きた飲食店が多い。下の写真のようにずいぶん以前の張り紙がそのままになっていて、より悲しみが深まる。この状況下で、空いた店舗を埋める方は少数だろうから街がどんどん歯抜けになっていく。騒ぎのとおりで、昨日またまた飲食店いじめが延長された。現在は、限界をとっくに超えていながらも根性と負けじ魂だけで開けている店がほとんどではなかろうか。情報バラエティなんかで紹介される、こんな努力でうまくいってまーすなんてのは極々一部である。
飲食業の素人ながら、上のセットを供してくれていたこの店の跡地は浜松町ではいい場所だと思う。実際、コロナ以前のランチ時のピークタイムは、ほぼ毎日待ち客がいた。夜は夜で、近所の会社勤めの中年たちのパラダイスとなり、上司や仲間の悪口をよく聞かせられる場所でもあった。締め切り中の晩飯にそばをすすりながら、おっさんの話題ってのはそんなんしかないものかと笑っちゃっていた僕だ。とにかくお世話になった店で、もりやかけとミニカレーのセットの写真がこのつぶやきに登場した回数は、もしかしたらトップかもしれない。そのままに、ランチでもディナーでも、この街に引っ越してきてからもっとも多く利用した店だろう。それどころか、ランチにおいては人生という単位でもっとも通った店かもしれない。出退社のたびこの張り紙を前にしてため息をついている。
昭和の街そば屋の典型のような店だった。そばはシャッキリとコシがあり、ツユはかなり濃いめだ。セットのカレーはこれぞそば屋という、キレンジャーな僕にとってはカレーライスの最高峰だった。なんでみんなこの味を真似しないのかと思うほどの普通にうまいカレーとそばが食えなくなってもう半年近くなるのだ。今日こうして書いていても、腹が鳴る鳴る法隆寺である。
去年の夏くらいからだ、たくさんの愛する店を失った。もうこれ以上勘弁してくれという状況のところに、今年に入ってすぐの緊急事態宣言の強烈なパンチを見舞われ、ゴールデンウィーク前の短期集中のはずだった宣言がふたたび延長はさらにドロップキックだ。前述したとおり、ほとんどの飲食店は限界点をとっくに超えている。世話になっている主人らの顔が浮かんでは、トドメにならないことを祈ることしかできない。
今回の緊急事態宣言は、新たに福岡も加わってしまった。この13日に知り合いが自分の店をオープンさせる予定になっている矢先にだ。本来であれば休暇を取ってオープン日に駆けつけたいところだったが、さすがにこの移動は無責任と思われて断念したところ、この仕打ちに心配が募るばかりだ。早く春よ来い!!