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今回の落札者の意図は?
わかりません。非公表じゃないでしょうか。プレイステーションの試作機が3,800万円で落札されたことも記憶に新しいですが、その時も落札者は公表されていません。落札者について、みんなが興味がないというより、あまりにも雲の上の出来事すぎて、絶対に知り合いでもないし、そこまで頭が追いついていないのでは?と思われます。
今回のソフトは開封したら価値が大幅に下がるので、落札者は開封してゲームの内容がどのバージョンなのか、プレイして確かめてみることはないでしょう。ここまで高額だと、文化の保存なのか、自己満足なのか、自慢用なのか、落札者が語らない限りその意図は謎に包まれたままとなりそうです。
日本ではゲームで200万を超えるものが出たのはほぼ見たことがないので、次元が違いすぎるというか、理解を超えていますね。0が一桁少なくても信じられない金額ですから。ゲーム以外のコンピュータ製品を含めても、アップルの初代パソコン「Apple I」くらいしか、このような値段がつくのは見たことがないです。今回のスーパーマリオにはこれだけの価値がついたのですから、一般公開されるといいですね。ゲーム博物館みたいなところに展示されるなら、じっくり見てみたいです。(以上、山崎 功氏・談)
何かをきっかけにゲーム開発の背景や
ゲームファンの思いを知ると理解が深まる
再びWeb担当Mです。
なるほど… 確かに、今回の落札現象もゲームの歴史や背景、加えてファンの気持ちを知ると、新たな視点が見えてきます。
今回のニュースをきっかけに、ゲーム界の状況や人の考え方の変化に興味を持っていただけたら幸いです。
最後に、山崎氏がゲーム研究を始めたきっかけをお伝えしておきましょう。
「僕が高校生くらいの頃 (1990年代前半) の話ですが。ファミコン以降では、ゲームの歴史的な記録が残されていたんですけど、それ以前の10年については記録がほとんどなかったんです。ある日突然、任天堂のファミコンができたわけじゃなく、その前にもエポック社の『カセットビジョン』とか色々なゲーム機がありました。でもコンピューターゲームの歴史は浅く、みんなの関心は常に最新のゲームだったので、当時は研究をしている人がいなくて、誰も体系立ててまとめていなかったんです。ファミコン以前のゲーム機ってどんなものがあったんだろう? よくわからない。ならば僕がまとめてみようと」
「ずっと任天堂のゲームが好きだったので、業界一である任天堂の歴史を発掘するように調査、研究すれば、ゲームのこと、そしてそのルーツが見えてくるんじゃないかなと…。当時の開発などの背景が見えると、もっとゲームを愛せるようになると思うんです」
読者の皆さんも、自分の好きなジャンルの深掘りをぜひ楽しんでください!!
■PROFILE
山崎 功/やまざきいさお
昭和51年3月生まれで、学年的には昭和50年男。任天堂研究家&執筆家であり、『ファミコン コンプリートガイド デラックス』など、数々の作品を発表。昨年には『クラシックゲーム大博覧会 1972-1985』を上梓。『昭和40年男』本誌では1980年前後の電子ゲームを紹介する「デジとの遭遇」も連載中
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