ポルシェは初めての大型モデルチェンジとなる新型ボクスター/ボクスターSを1月12日に初公開した。
『ボクスター』は968の後継モデルとして96年に登場した2.5L水平対向6気筒エンジン搭載(当初)の2シーターのミッドシップオープンモデルで、914以来20年ぶりとなる市販ミッドシップモデルとして話題を集めた。エンジンはポルシェとしては控えめな出力でエントリーモデルとしての役割も与えられているが、水平対向、しかもドライサンプ方式を採用した低重心エンジンを車体中央に配した理想的な車体レイアウトが実現する優れたハンドリングは、世界中のスポーツカーメーカーの開発指標とするほど評価が高かった。
新型『ボクスター』は、大幅な軽量化、ホイールベースとトレッドの拡大、そしてホイールの大径化が施されたほか、燃費が最大で15%向上した。DFIと呼ばれる燃料直接噴射システムを採用した2.7L水平対向6気筒エンジンは、先代モデルよりも10馬力アップの265馬力(195 kW)を発生する。また、同時にラインナップされる3.4L水平対向6気筒エンジンを搭載するボクスターSは先代モデルと比較して5馬力アップの315馬力(232 kW)となる。両モデルとも、6速マニュアルトランスミッションが標準装備され、PDKと呼ばれる独自の2ペダルMTも用意される(トルコン式ATの快適性と、レーシングカーで使われるシーケンシャルミッションのようなシャープなシフトチェンジを両立したもの)。
外観では、オーバーハングをより短くし、フロントウインドウを大きく前方に移動。さらにトレッドの拡大により、ワイドなシルエットに変貌した。フル電動ソフトトップもデザインが一新され、ソフトトップのコンパートメントリッドは廃止されている。価格などはもちろん、日本への導入時期は明らかになっていないが、スーパーカー世代としては気になる一台だ。