イベントは社会生活に必要!!

お叱り上等でつぶやく。緊急宣言発令下での落語業界団体によるこの決断に、僕は拍手を送るサイドの人間だ。先日は仲良しのコーラスグループ「フォレスタ」のコンサートに出かけて、その徹底した対策ぶりに恐れ入った次第だ。それ以上に、集まったご高齢の方々の笑顔から、このコンサートに来ることでどれだけの免疫と健康効果が得られるのだと感服した僕だ。落語界も、観客を入れての興行が社会生活の維持に必要なものだと判断したから、寄席を続けることにしたのだ。くどいようだが、僕は120%パチパチである。

 

こんな時節だから我想う。人生でこれまでどんだけの生エンタメに涙してきただろう。その原体験は遊園地に観に行った仮面ライダーショーかな。どこで見たかの記憶はいまひとつ薄いのだが、連れて行ってくれた日の興奮は今も忘れない。ブラウン管の中にしかいないはずのライダーが実在したのだから、ガキにとっちゃ大事件だった。ただ同時に、感覚的にカラクリに気がついた自分もいたと記憶している。観る前の興奮が帰り道での感動を上回っていた僕だ。

 

その後も様々なエンタメに生で触れていくことになる。テレビ番組の公開放送なんかは、ご近所の荒川区民会館の招待状をもらっては興奮しながら見つめた。「イルカにのった少年」を目撃したことが強く記憶されている。というのも、この際にお袋から受けた説教がその後に強く残ったからだ。我が家は電気屋でメーカーの営業さんはいろんな喜びをくれる。その1つに城みちる出演の公開放送 (残念ながら番組名は失念) があったのだが、売り出し中の彼が出るんだと笑顔で手渡した営業さんに僕は「あいざき進也の方が好きだなあ」と生意気なことを言った。うわーっ、今考えると最悪なガキだな。逆の立場だったら「返せっ、このクソガキ」と叱責しただろう。結局チケットを受け取った僕だったが、営業さんが帰った後お袋からその態度を指して諭されたのである。どんなに悲しい気持ちになったか考えろと。これは子供心に突き刺さったしよーくわかった。これによって以後、自分に渡してくれる気持ちにまっすぐ向き合うことをやっと覚えたバカなクソガキだったのさ。

 

てな訳で、「イルカにのった少年」を聴くといまだにその日を思い出し、渡してくれた兄さんの寂しそうな顔が浮かぶ。同時にお袋に感謝の気持ちを繰り返す。な〜んてことを、最終的に次号のデータを印刷所に渡した今日つぶやいているのは、きっと何か関連性があるはずだ。はあーっ、PRですかとお嘆きの皆さん、どうぞお許しくだされー。〆切ってのは、越えてしまえばいい気分だけが残るのですよ。それにしても、呑みに行きてえなあ (泣)。

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