ホンダは、米国ミシガン州デトロイトで開催中の2012年北米国際自動車ショーにて、次世代のスーパースポーツを形にした『NSXコンセプト』を世界で初めて公開した。
ご存知のとおり、NSXといえばホンダが、いや日本が世界に誇る国産スーパーカーである。89年に発表され、翌90年から15年間の長きにわたって製造された。発売当初の価格は800万円と、当時の国産乗用車の中では最高額だったことも大いに話題になった。V6の3Lエンジンをミッドシップに搭載することや、オールアルミモノコックボディの採用など、まさにスーパーカーに相応しい装備とスペックで、憧れの一台となったことは記憶に新しい。
さて、今回発表された『NSXコンセプト』は、ハイブリッドシステムであることがトピックスである。軽量ボディに次世代V型6気筒 VTEC直噴エンジンをミッドシップレイアウトで配置し、Sport Hybrid SH-AWDを組み合わせたスーパースポーツモデルだという。新開発となるSport Hybrid SH-AWDとは、エンジンと高効率モーターを内蔵したデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせ、前輪の左右を独立した2つのモーターで駆動する電動式の四輪駆動システムを搭載したハイブリッドシステム。トルク自在制御システムで左右輪のトルクを独立的に制御することで、旋回力を自ら生み出す。ランエボに搭載されるAYCなどと同じ考え方だが、独立したモーターを出力制御するだけなので、コチラのほうがより簡便に制御できるといえそうだ。
発表されたデザインからは、旧NSXの面影は感じられないところが気になるが、低く構えたスタイルはまさにプレミアムスポーツモデルのそれ。グリル周りのデザインは好みが分かれそうだ。ホンダは『NSXコンセプト』をベースとしてスーパースポーツ開発を続けるとしており、3年以内には米国内で発売し、順次グローバル展開を目指すという。ホンダファンならずとも、大いに楽しみな一台だ。