【S40News!】富士フイルムが「X-Pro1」を発表。

富士フイルムはAPS-Cセンサーを搭載したミラーレスデジタル一眼レフカメラ『FUJIFILM X-Pro1』を発表した。

『X-Pro1』は、『X100』、『X10』、『X-S1』に続く同社Xシリーズにおける新製品で、ミラーレス構造をもつハイエンドレンズ交換式デジタル一眼レフカメラだ。シリーズ統一のクラシカルなスタイリングを持つ。

『X100』と同様、ハイブリッドファインダーを備えているのが大きな特徴だ。ハイブリッドファインダーとは同社が開発した、光学ファインダーと電子ビューファインダーを融合したファインダー機構である。デジカメの普及に伴い光学ファインダーから電子ビューファインダーへと置き換えが進んでおり、ファインダーの像に撮影環境などの情報を重ねて表示できて小型・軽量化しやすいというメリットがある一方で、得られる像のクリアさでは、光学ファインダーには及ばない。同社のハイブリッドビューファインダーは、これを解決したもので、光学的に得た像にデジタルの情報を重ねることにより、クリアな像と情報の表示というそれぞれの長所を両立している。『X-Pro1』は『X100』と違ってレンズ交換のため、新たに複数の画角に対応するHybrid Multi Viewfinderを開発し、搭載している。

また、『X-Pro1』では、光学ローパスフィルタを必要としない新しいカラーフィルタアレイを採用している。光学ローパスフィルタとは布の生地のような、撮像センサの画素ピッチに近い細かいしま模様などを撮影した時に発生してしまう偽色やモアレを避けるために配置するフィルターのことだ。センサに入ってくる光を画素ピッチ分ずらして画像をボカす働きがあるが、その分、解像度の悪化は避けられない。光学ローパスフィルタは単板式のデジタルカメラの言わば宿命であり、モアレや偽色の低減には欠かせないものだった。『X-Pro1』の新しいカラーフィルタアレイでは、RGBの画素がランダムに配置されており、ストライプなどの繰り返しパターンを撮影しても、モアレや偽色が発生しにくいという。これによって光学ローパスフィルタ非搭載とし、APS-Cサイズの撮像センサでありながら、フルサイズに匹敵する高い解像度を得られるとしている。

レンズマウントはオリジナルのX-Mountを採用し、用意されるレンズは
 ・XS 18mm F2 R(27mm相当)
 ・XF 35mm F1.4 R(53mm相当)
 ・XF 60mm F2.4 R Macro(90mm相当)
の3本。すべて単焦点レンズというところに画質へのこだわりが垣間見える。今後、ズームレンズがラインナップされるかどうか、ハイブリッドビューファインダーとの兼ね合いとも合わせて気になる所だ。

『X-Pro1』は、これまでのカメラカテゴリに収まらない、新たなジャンルを開拓したモデルといえそう。とにかく高画質をとことん追求し、より美しく、より楽しく撮影するための新たな工夫が随所に込められた意欲作であることは間違いなく、それでいて所有する喜びを得られる高品位な外観と携帯性の高いコンパクトなボディがどのように評価されるか非常に楽しみである。とくに、画質の高さから、キヤノンやニコンが特異とするフルサイズ一眼レフの市場をも食う可能性を秘めているとも考えられる。米国での発売は2月で、価格は未定とのこと。今後の動向を注視したい。

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