追悼、立川談志師匠。

発売が間近に迫った『昭和40年男』2月号に、立川談志師匠の追悼ページが入っている。というのも…。

第2号から、立川流の真打である立川談慶師匠の1ページ企画を連載している。なんの面識もなかった彼だが、創刊号を見て編集部に電話をかけてきてくれ、立川一門の談慶と名乗り、ともかく会おうとなったのがつきあいの始まりだ。何度も酒を酌み交わし、得意技の「やろうやろう」を繰り返した。何をやると明確なテーマはないのに、何かおもしろいことを「やろう」と連発するのは、もはや悪い癖だ。だが、そのひとつがこの連載でカタチになっているのだ。

順風満帆に送っていた社会人暮らしと決別して、談志師匠の弟子となった談慶さんだ。落語本編に入る前のまくらでは必ず談志師匠のことを語った。笑いを取っていく中でも、師匠への尊敬の心がいつも表れていた。きっと元気になって、また高座に戻ってくるといつも言っていた。訃報が伝わってきたのは、今号の〆切に向けて火がついて来たころだったから、今回はもしかしたら1回休みかもしれないと覚悟した。

軽々しい言葉なんかかけられないと、連絡を入れられなかった。メールで済ませるのは失礼だなと。もちろん原稿の催促なんかできるわけもなく、時間ばかりが過ぎていった。そして押し詰まった12月17日に、原稿が送られてきた。ひとまずほっとした後、原稿を開くとタイトルが「師匠!師匠!師匠!」となっていたのが、不意打ちのように響き、涙を誘った。短い文章ながら強い師弟関係にあふれている。加えて見事な筆文字は、数ある談志師匠の名言の中でも、世の中を切り取った素晴らしいものだ。談慶さんもお気に入りだった言葉だろう。談志師匠を忍ぶにふさわしいページに仕上がっていると思う。

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