キヨシローさんで勝負!!

いよいよ11号の発売が迫ってきた。作業をすべて終えた日が、なんだか遥か昔のことのように感じる。クリスマスイブもクリスマスも、来る日も来る日も事務所に缶詰になり、年末進行なる地獄のような進行スケジュールを克服して、データを印刷所に入れ、『浅草秘密基地』に約2時間遅れで飛び込んだのが、昨年の26日なのだ。年末のうちにすべて刷り上げて、インクをじっくり渇かして、昨日の印刷所仕事始めに製本、梱包され、本日めでたく全国へと旅立っていった。パチパチ。

ご覧の通り、表紙はキヨシローさんで、前号のウォークマンに続き写真1点で勝負に臨んだ。まだ知名度の低い雑誌が書店棚で戦うには、なにより手に取ってもらうことだ。そこでこれまでは、出来る限り多くの写真を並べて、それらがしっかりと主張するようにベースを白で勝負し続けた。多くの方の興味を引く作戦である。懐かしいものやインタビューで登場くださった著名人、かつて世話になったミュージシャンだったりと、「おっ」と思う人が多くなるようにとつくっていたのだ。だが、弱点はひとつひとつの写真が放つインパクトが弱まる点だ。書店の棚と眺めている人間の距離は意外に遠いので、サイズに比例してしまう。そこで前号は1発でつくってみた。特集をしっかりとつくり込んでいながら、他の企画も力がみなぎっている『昭和40年男』にとって、特集の写真で勝負するのは勇気がいる。だがやってみると思いのほか好評であり、ウォークマンそのものの魅力と写真の力は大きいなと、自分自身も納得の出来となった。

そして今回は、キヨシローさんの写真1発で勝負に出た。巻頭特集を僕たち昭和40男の熱の根源をテーマにつくり込んだ。僕の個人的な思い入れが強いことは重々承知で、RCサクセションに8ページも使い、さらに特集のトップに持ってきた。これは大冒険だ。だって、クラスの中でRCサクセションにイカレていたヤツは少数派だったもの。ある意味、前号のウォークマンの方が人気があった。だが、RCサクセションがあの時代に出てきた奇跡は、昭和40年男にとって大きなものであり、好き嫌いを超越したものだと思う。そして残念なことにはなったが、キヨシローさんの病気との闘いは我々にとって深く考えさせられるものであった。いろんな意味を込めて表紙を飾っていただいたのだが、勝負の行方やいかに? 発売まであと5日。今年1年を左右する日が迫っている。

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4件のコメント

  1. 私も昭和40年女です。30年来の清志郎ファンではじめてこちらの雑誌の存在を知りました。
    面白いコンセプトに目からウロコです。
    早速Amazonで3冊予約したので周りの40年男に見せたいと思います。
    早く読みたいです♩楽しみに届くの待ってます。

    • 予約いただきありがとうございます。広報活動よろしくお願いします(笑)。周囲の方のご感想を、ぜひお寄せくださいね。

  2. 私は昭和40年女ですが、当時RCサクセション大好きな青春を送っていたのでこの本が絶対ほしいです。清志郎さんの特集はよくありましたが、RCを取り上げてくれるのはあまりなかったのでうれしいです。ありがとうございます。

    • 僕にとってもRCサクセションはまさに青春ですよ。自分の本でページをつくれたことがうれしくてうれしくて。ぜひ書店をのぞいてみてください。11日に並びます。

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