ドタバタですっかり忘れていた『昭和40年男』的10大ニュースをお送りしている。今年もいろいろあった『昭和40年男』の出来事の中から、僕目線で選んだぞ。
それではまず第6位。ドゥルドゥルドゥル〜、じゃん。
『おめでとうございま〜す。ダメな弟子に師匠困った!!』
「おめでとうございま〜す。いつもより多く回しておりま〜す」。お正月お馴染みのあの芸を習得しようと、染之助師匠に弟子入りしてきた。震災後の7月発売号で、僕は気持ちを込め『今こそ笑え』との特集を組んだ。そのなかで、昭和40年男にとっての笑いの原風景として取り上げたのだ。懸命に食らいつくものの、傘の上の鞠はいっこうに回らない。師匠はさも簡単に回すが、コツさえつかめない。それもそのはず、76歳になる師匠は毎日必ず回しているそうだ。伝統を受け継いできた芸とはそういうものなのだね。それでは奮闘シーンをフラッシュバ〜ック。
いつ回してみせましょうと締めくくった企画だが、稽古をすっかりさぼっており、いまだ回ったことがないのだ。すみませぬ、師匠。
それでは続いて第5位。ドゥルドゥルドゥル〜、じゃん。
『東日本大震災・復興義援金集めだョ! 全員集合』
読者ミーティング『宴』は、残念ながら今年はたった1度だけの開催となってしまいました。『昭和40年男』の発行が隔月になったことと、震災の影響でイレギュラーな仕事や処理ごとが多過ぎて、先々の予定を組んでおくことが難しくなってしまった。自粛でなくて、現実問題として開催困難になった。全国1000万人『宴』ファンの皆様には、もう少々お待ちいただくことになりそうですが、ご了承ください。近い将来パワーアップしてお届けします。
というわけで、今年たった1回だった『宴』は、これが最高だった。開催を予定していた4月3日は、記憶から薄まっているかもしれないが、自粛ムードまっただ中だった。花見さえするなって空気だった。だが『昭和40年男』に自粛の文字は絶対にないと突っ張り、だったら被災地へのパワーをもらっちまえってことで、タイトルどおり皆さんから現金を奪い取るイベントにした。最終的に14万859円をかき集め、被災地で医療活動をおこなっている非営利団体のジャパンハートに預けて、有効に使ってもらったのだ。楽しみながら元気な善意に、改めて感謝である。
来場者からの自由なマイクパフォーマンスのコーナーが、この日の一番の見せ場だった。イベントのほぼ最終プログラムとなったこのコーナーでは、相次いでマイクを握るタメ年たちがステージに上がり、素晴らしいコメントが次々と響き渡った。郡山で実家が被災した女性から「おかしな自粛ムードになっているけれども、暗くならないで被災地に笑顔を届けてください」と、この日のイベントの象徴するセリフだった。ガハハガハハと笑って過ごしてきた、皆さんの心の底から出た被災地へのエールの数々は、来場した皆さん全員に深く記憶されていることだろう。これも『昭和40年男』が目指す理想のカタチのひとつだった。見知らぬもの同士が集い、心になんの衣も羽織らないで素っ裸をさらして笑い、考え、意見を出していく。規模は100人にも満たない小さなものだったが、感動はデカイものだった。一生懸命練習に励んだ僕の演奏は完全にかすんでしまったよ(笑)。今思い出しても胸が熱くなってくる、僕個人の10大ニュースにも、上位にランキングされるすばらしい出来事だった。