我が国の借金が今年度末に1000兆円の大台を超えるそうだ。あまりにもスゴイ数字で考えづらいが、今年度の税収が40兆円ちょっとだと予想されていることから、企業人的な考え方をすると年商の25倍もの借金をしていることになる。しかも年商(税収)の倍以上の額で予算を組んで、足りない分は引き取り手がほぼ確定している社債(国債)を振り出していくという手段で運営しているのだ。さらに意地悪な話で個人で例えてみよう。40兆円の税収をわかりやすい数字で仮定して、年収400万円の人間が1億の豪邸をおっ建てた計算になる。さらに来年は900万円ほどの支出をしながらのリッチな生活をしたいから借金して補う予定ということになる。そんな凄まじいまでの数字で運営していながらして、まだ世界的な視点では信頼が残っているミラクル国家であるととらえることもできる。スゴいことじゃのう。だがミラクル国家もこのままではいつか破綻するのは目に見えているわけだから、現在ケンケンガクガクとなっている消費税や、社会保障費の話になっていくのは仕方ない。これらの議論の落としどころは政治家たちの腕の見せ所であり、とにかく頑張って仕事してほしいと切に願うばかりだ。
僕が心配しているのは2点で、1つはハイパーインフレ問題で、一時の韓国が陥った状態が最悪のシナリオとなる。これはなんとしても避けるように、やはり政治家や官僚まかせになってしまうが、なんとしても踏ん張ってほしい。もう1点が社会保障をめぐっての世代間論争に陥ること。日本という国の心が狂い始めているのを感じることがしばしばあるが、もしもこのまま悪い方向に行くと社会保障問題が引き金になって世代論になっていくだろう。戦後復興を支え、休む時間を削って働いた先輩方が、現役世代から疎まれるような社会だけは避けたい。そうなってしまえば本当にこの国の終焉となる。堂々巡りになるが、社会の恩恵から豊かさを享受する構図をしっかりと取り戻さないと、心が荒んでいきやがて日本人は心ない人間があふれる国になってしまう。社会保障問題がもたらすもっとも怖いのはこの点だと僕は思っていて、税収アップは深刻かつ重大な任務であり、苦しみはある程度仕方ないことだ。ただし、今すぐに消費税率の引き上げには反対で、なにがなくともまずは企業業績を上げる方向に尽力すべきだと思う。その策はいくらでもあるはずだ。行政からのバックアップを充実させることで税収を増やし、めぐって消費を活発にしてから税率を上げても遅くはあるまい。消費税アップで消費事態が冷え込み、結果的に益々のデフレが起こり、企業のリストラによって失業者があふれてしまい、結果的に税収が下がるというシナリオになってしまうじゃないか。1にも2にも景気対策だと思うのだが、どうなることだろう。師走のドタバタでストップしてほしくない、行政サイドの急務である。