50歳を目前にした6年前の今日もこのタイトルで、しかもこのいい加減な写真でつぶやいた。進歩がないと言うなかれ、なんとなくルンルンするのはガキの頃の想い出と、3という数字のゾロ目なことで春をぐーっと寄せている感じからかな。そして♪あかりをつけましょとジングルさせれば、気分はなおルンルンである。余談だが、この曲、目一杯のマイナーキーですな。音楽の授業で習ったところの短調で、物悲しいメロディに♪今日は楽しいひな祭りと乗せてルンルンさせられるのは、日本人の感性なのかもしれない。一昨年の暮れに賛否両論ありながらもレコード大賞を受賞した、米津玄師さんが手がけた『パプリカ』も、マイナーキーでありながらパーっと前向きになれる。これらを僕はひな祭りナンバーと呼んでいる。
さて、同世代諸氏はどんな思いで今日を迎えているのだろう。娘がいる男たちにとっては大きな1日であるまいか。小さければ今宵はまさしく今日は楽しいになるだろう。ちょうど反発盛りのハイティーンブギだったりすると、ひな飾りを引っ張り出すものの特に何があるわけでなく、やさぐれてその前で焼酎を飲んでいたりして。結婚前のお年頃だったりするとまた微妙な心理だろうな。孫娘を囲んでの今宵なんて幸せな方もいることだろう。悲喜こもごも今日があるのではないかな。
僕は一人息子の家だから無縁で、男兄弟だからガキの頃もスルーだった。でも写真のようなひな飾りに憧れが強く、小学生の頃はクラスメイトの家に押しかけたりした。6年前にも書いたことだが、3日は女の子同士の神聖な日だから来るなと言われ、その前日に押しかけたりしたものだ。まだまだ貧しさの残る時代だったから、あの華やかさが異次元に感じられたのだろうな。男女の差異が強かった時代だからこそのうらやましさもあったのだろう。
昨今、女性蔑視発言をつかまえてはなにかとやかましいが、僕に言わせりゃほとんどがくだらなすぎて笑っちまう。本心ではそんなつもりないのに言葉尻をとらえて撃つ。言葉の暴力でボッコボッコにしてしまう社会の方を、もっと問題視した方がいいのではないか。そもそも男女しかいない社会で、本心から蔑視している男なんてほとんどいない。少なくとも僕の周りには見当たらないし、これが前提だと考えるのが大人の社会ってやつじゃないか。まあ、男ってのはアホな生き物だから、つい強がったり性の責務をまっとうするためのミスをしがちだ。すると「そんな言葉が出てくるから根本的にダメなんだ」と弾圧する。「へーっ、そうですか、皆さんそんなに聖人君子ですか?」とまたまた笑っちまう僕だ。 そしてその聖人君子たちが言葉のナイフを立てて集団リンチを加えているのを、なぜ当人たちは、そして社会は恐ろしく感じないのだろう。
ガキの頃の男女が男女らしくあったふくよかな時代はよかったな。まるでボギーの時代を眺めているジュリーの気分だぜ。男がキザでいられるのは、ひとりぼっちの時間だけになりそうな現代だからそうか、ハイティーンブギな娘さんを持つお父さん諸氏は、“やさぐれ”でなくひとり“キザ”を気取って今宵を過ごしたらいかがだろう。「フーッ、あんたの時代ってのはよかったなあ」ってか。ともあれ娘のいるお父さんたちよ、孫娘のいるお爺ちゃんたちよ、おめでとうございます。