フェルナンデスのストラトで勝負じゃ!!

クソが付くほど慌ただしい年の瀬の日々が続いている。はたして今年はあと何時間寝られるだろうなどと、絶望的な考察なんかしているような日々が続く中、ワタクシ今宵はライブである。ハッハッハ、やるときはやるのじゃ。業界の大先輩が催す忘年会で、バンド演奏を披露する。去年、一昨年とオーディエンスだった僕は、この秋に主催者に申し出た。「ヘタクソだけどいいギターリストがいますよ」。意味不明な申し出に、苦笑しながらも引き受けてくれ、今宵が本番というわけだ。なんとベースは東海道のコンビ、編集部のキンが務め、客席では副編小笠原が応援を担当するという、超豪華(!?)な顔ぶれである。ライブといっても立ち位置としては忘年会の余興的なもので、来ていただいた方に取っ替え引っ替え歌っていただくカラオケバンドである。

余興とはいえバンドの質は高くて、ものすごく楽しい。いつも東海道でバカ話ばかりしながら歩いているキンと、リズムでコミュニケーションするのは、ちょっぴり照れくさいような、だが旧知の友との語らいのような不思議な感覚であるのは、ミュージシャンかぶれの感性だろう。真剣になればなるほど、シビアに弾けば弾くほど楽しくなるのはバンド演奏の醍醐味であり、ここ数週間はずっと譜面を手放さず、通勤時などでイメージトレーニングを繰り返し、会社の昼休みはメシを抜いて練習にあてた。仕事に影響が出るのは絶対に許せないが、手抜き演奏も嫌だ。やるからには真剣に打ち込みたい。

今夜僕が弾く登場するギターは、最新号の特集で取り上げた国産モデルのFST-80(46ページ参照)である、エッヘン。普段は、というよりまともに歌い始めてからはほとんどテレキャスターしか弾いていなかった。都立高校入学と引き換えに手に入れたこのストラトは、ずっとケースにしまわれたままだったのである。だがこのバンドのメインギターリストはテレキャスを使うと聞いていたし、数曲ギターを弾くバンマスもテレキャスである。ウームとこれはマズイと『浅草秘密基地』の常連、杢師さんにリペアを依頼すると快く引き受けてくれ、見事に復活したのだ。実は杢師さんと、他人のように書いているヤツは古くからの付き合いである。僕の高校卒業ライブの音響全般を引き受けてくれたり、現在弾き語りで使っているテレキャスターのメンテをしてくれたり、実家が営んでいるパン屋から残りのカレーパンを持ってきてくれたりと、なにかと頭が上がらない存在なのだが、今回さらに頭が低くなったほど完璧に仕上げてくれた。15歳のときに購入したギターが復活して、今日のライブで火を噴くのである。しかも、奇しくも特集で取り上げているタイミングでだ。うーむ、なにか持っているな(笑)。

3番勝負で取り上げた『赤いスイートピー』あり、年の瀬にピッタリの『津軽海峡冬景色』あり、昭和40年男にはたまらない『年下の男の子』ありの全14曲はバラエティに富んでいて楽しい。どんな演奏をぶちかますことができるかワクワクである。なんにせよ、今宵復活するギターは、中学卒業時に手に入れたものであることがうれしくてたまらない。時を超えていくぜ、相棒!!

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2件のコメント

  1.  昭和40年女でもコメント可能でしょうか?というよりそのギターを間近で見てたことがある者なのですが、覚えていらっしゃらないだろうなと思いつつも懐かしくてカキコしてしまいました。
     つい最近ご活躍をネットで知り動画やブログを拝見したのですが、編集長さんご自身、当時の男の子のまんまだったのでびっくりしました。しかも昭和40年男子限定の雑誌だなんて本当に感動するくらい変わってないです。
     早速、雑誌読んでみたいと思います。女子と遊ぶよりも男子の世界の方が好きだった自分にもきっと懐かしくて楽しいものだと思います。これからもよいお仕事をがんばってください。

    • おおっ、なんとうれしいメールじゃ。こんな再会(!?)はネットならではですなあ。ぜひ応援よろしくお願いします。

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