うーむ、これをカッチョよく言うとメディアミックスだな。しかも俺たち世代にはなくてはならないメディアである雑誌とラジオでだ。つい先日の日曜夜のこと、FM東京の『Spitz 草野マサムネのロック大陸漫遊記』という、そのまんまスピッツの草野さんがナビゲーターを務める音楽番組で、去年の11月に発売して世間様に衝撃を与えた写真の『昭和40年男』の内容そのままにプログラムしてくれたのだ。ヤッホー!!
この特集は手前味噌ながら、俺たち世代感がバッチリ出たなと自負している。諸先輩方や音楽評論家の方々からさぞひんしゅくを買ってしまうことを覚悟の上で、日本ロック元年と言い切った。これこそが『昭和40年男』が誇る“世代斬り”である。一般的な概念ではないかもしれないが、昭和40年生まれとその周辺の細いベルト世代にはしっくりバッチリくるというのを、ズバッと言い切れた特集の時に僕は感動で身悶える。ザ・ベストテンが始まった1978年は、それまで触覚の高いお兄様のための音楽だったロックが、突如としてお茶の間にあふれ市民権を得た。多感な頃を迎えていた俺たちはこれらを反逆のバイブルだと受け止めつつも、わかりやすいメロディとパンチの効いた歌唱に痺れたのだ。俺たち世代はこの洗礼をしっかりと受け取り、自分の中へ血肉になるかのように吸収した。だからロック元年だーっ、おー見事に言い切った!!
草野さんはきっとこのアジテーションに賛同くださり、この日の放送をナビゲートしてくださったのだ。ああ、これをシンパシーと呼ばずなんと呼ぶと感涙に咽びながら放送を聴いた僕だ。選曲が素晴らしい。とくにラストナンバーを桑名正博さんに託し、セレクトしたナンバーがこう来たかというのも恐ろしいまでにシンパシーを味わった。全体的にツボを押さえた選曲だから、この公式サイトは見ないでともかくまず聴くことをお勧めする。1つだけネタバレだが、矢沢永吉さんの『時間よ止まれ』の歌詞にある「汗をかいたグラスの冷えたジン」とのくだりを話題にしたのもやはりシンパシーで、当時の僕を狂わせたワンフレーズであり、痺れた同世代男子は少なくあるまい。
なーに放送が終わった番組のことをつぶやいてんのと言うなかれ。現代はradikoなる便利なサービスがある。確か聴取期間は放送から1週間だからさっそく今宵、ロックグラスに汗をかかせてジンを呑みながら楽しむがよい。サイコーの番組をありがとう、草野さん!!