エステーは、10月に発売したばかりの安価な家庭用放射線測定器『エアカウンター』の“後継機種”として、早くも性能向上し、価格もさらに下げた『エアカウンターS』を2012年2月3日から出荷を開始すると発表した。希望小売価格は7,900円で、初回出荷数は10万個の見込み。
本サイトでも紹介したとおり、10月20日から福島県を中心に発売した『エアカウンター』は、生産が需要に追い付かないほどの人気を集めている。これまで国産製品は少なく、ロシアや中国を中心とした生産国の製品が多く出回っていたが、高価かつ信頼性に不安を感じる人が多かったためか、大変な人気を博しているようだ。
原発の被害の大きかった福島県から販売を開始していたが、その周囲においても放射線のホットスポットが見つかるなど、需要エリアは広がる一方。そこで半導体センサーの新技術の提供をタカラトミーから受け、グループ企業であるタカラトミーアーツ社と共同で、より高性能、より低価格、よりスリムで軽量な『エアカウンターS』の開発を進めていた。
この家庭用放射線測定器『エアカウンターS』は、測定感度の向上によって、現行品の最長約5分の測定時間を最長2分にまで短縮している。さらに、計測中、放射線を感知する度にブザーが鳴る機能や、計測完了後には、10秒経過する毎にその直前の約1分間の平均値を表示する機能を新たに搭載したという。さらに本体も一新。直径約22mm×長さ約170mm、重さは110g→60gに軽量化し、よりコンパクトとなっている。
測定は片手で簡単にでき、放射線のひとつである空気中のガンマ(γ)線。0.05μSv/h〜9.99μSv/hの範囲で測定可能(μSv/h=毎時マイクロシーベルト)。センサー部分には、医療機関で使用されるエックス線計測器の技術を応用したシリコンフォトダイオードを使用しており、β線をカットするフィルター内蔵によって、高い精度でγ線を測定することができるとしている。電源は単3アルカリ電池1本。1日1時間の使用で約2ヶ月使え、連続使用の場合は、約60時間。