さあて、シリーズ第7弾にいくぞ。ストーンズに始まり、クイーン、ロッド・スチュワート、RCサクセションと続き、レッド・ツェッペリンの途中で柳ジョージさんの悲しい報せに追悼を割り込ませて、これまで6枚の名作アルバムを紹介してきた。昭和40年男にとって王道というか、ミーハーというべきか、とにかく直球ストレートなセレクトを紹介する『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』を久しぶりにお送りしたい。
今回は来日中のエアロスミスからセレクトしよう。彼らの作品から1枚を選ぶのに、ツェッペリン以上に悩み抜いた。メンバーの離脱やドラッグで一旦ダメになって復活を果たした後のアルバムにも、ベストと呼ぶにふさわしい作品はある。結局前期からのセレクトにしたのは、“エアロスミスらしさ”という点を重視したから。すると当然『闇夜のヘヴィ・ロック(Toys In The Attic)』と『ロックス(Rocks)』の対決となり、うーん、最終的には教科書どおり(笑)『ロックス(Rocks)』とした。個人的な好みでいったらファーストとセカンドもかなり得点が高くて、超が付く駄作とされる『ナイト・イン・ラッツ(Night In The Rats)』なんかも大好きなのだが、公共の場(どこが)での発表だと考えるとやはりコイツでキマリだろう。エアロでもっとも好きなナンバーを挙げろとなれば、このアルバムに収録されている『バック・イン・ザ・サドル』であるので、やはりこのセレクトは正解なのである…と強く言い聞かせなければならないほど、自分の中では拮抗した戦いになった。
昭和40年男にとってリアルタイムでのエアロスミスというと、これまで取り上げてきた海外ミュージシャン同様、最も音楽にハマった10代中盤から20代全般は静かな時期になってしまう。うーむ、この傾向が強いのか、僕が外れているだけか。でも先日、タメ年のインタビューでいいことを言っていた方がいたよ。「俺たちの若いころは音楽聴くことひとつとっても背伸びしましたよ。桑田さんを好きになったら、そのルーツ音楽とか聞くでしょう」とね。そうなのだ。憧れのミュージシャンの憧れは、ターゲットになるんです。だからストーンズやビートルズはマストだったわけで、エアロだって多くのミュージシャンからリスペクトされていたから、追っかけて行きついた結果ハマったというタメ年男は多いはずだ。(続く)