令和2年を振り返る上で『昭和40年男』の表紙は極めて重要…なはずはなく、なんら関係性がないとも言えてしまうのだが、それでもやはりかわいい本たちばかりなんで付き合ってくだせえ。今年4冊目になったのは7月11日発売のハングリーだった俺たちを特集した問題作だ。前前号の星飛雄馬と甲乙付け難いインパクトのある表紙じゃないか。
俺たちがガキの頃は、今と比べたらはるかにチープな食生活だった。うまくない食いものがたくさんあった時代と思えるほどだが、当時はそんなことなど考えることなく「うまいうまい」とありがたくいただいていた。そう、まだまだ食卓には貧しさが残っていたし、外食は産業でなかったのだ。そんな時代の空気が香るように作り込んだ特集だ。
僕個人の話になるが、7月の末に誕生日を控えていた。55歳の節目だからと、体重を高校時代にリセットしようとダイエットに励んだ。が、そんな時にこの特集は妨害でしかなかった。ページを確認していると腹が鳴りまくり、抜いている昼飯についつい手を出してしまうこともしばしばあり、目標はついに達成できなかった。と、特集のせいにして逃げるのは卑怯だな。そもそもだ、きっちりと体重を落とすなら運動しなくてはダメなのだ。誕生日を過ぎてもしつこく目標に向かってダイエットは継続しているものの、あと3㎏前後のところで一進一退が続いている。やがて迎えるお正月に2〜3㎏は増量確定だろうから、仕事始めからはさらなる努力をしなければなるまい。令和3年は生活に運動を取り入れることにしよう…な〜んて暮れはなんでも誓えるけれどガラガラと崩れるのさ。
この特集の仕上がりとしても、よく言えばバラエティに富んだ、悪く言えば軽〜い特集になった(笑)。とは言え、ガキの頃のハングリーさを思い出して今手に入れた食生活を神に感謝するのにはいい特集だ。食についてこんな風にあれこれ集めた変態っぷりは、『昭和40年男』らしいと呼べるぞ。そしてなんといってもこの表紙はなかなかお目にかかれないはずだと、自信を持って打ち込んだ夏だった。