年末年始ってのはこうして一年を振り返って翌年の元気にしたい。いろいろあった令和2年だけど、こうしてささやかながらも年越しの喜びを感じていられるのだから、よしとしなけれりゃバチが当たるってもんだ。今日は今年2発目の問題作、3月11日発売の「俺たちど根性世代」について語らせていただく。
死語に近い気がするが、俺たち世代にとってはこれこそがすべてだった。根性さえあればなんとかなると大人たちから押し込まれて、それがなければクズだった時代を生きた。これを幸せと呼ぶかどうかは人それぞれの価値観だが、少なくとも僕はありがたいと感じているしあたり前田のクラッカーだと思っている。扉の檄文では、体罰にだって耐え抜いて生きてきた俺たちを賛美した。時代と逆行していると言うなかれ、腰が引けていて置きにしか行かない大メディアさまには言えないことをバシバシ書いてやったさ。そしてこの一冊は、俺たちが俺たちである所以(ゆえん)であると締めた。ふっふっふ、気持ちよかったぜ。
『昭和40年男』の企画は極めて大雑把に分けると3つだ。真ん中にカルチャーがあって、左右に大きく振れているのがフィジカルとメンタルと読んでいるグルーピングだ。フィジカル特集はいわゆるモノを中心としたもので、その真逆に振れたメンタルはこの号のように、生き様だったり心の中を映し出す企画だ。過去の特集でいくと『還暦上等』、『男はつらいよ』、『熱愛』なんかがそうで、外すこともある危険なグループだ。が、果敢にトライを繰り返しているのは、メッセージであり共有したいスピリットだからだ。
特集はSIDE A・Bとして作り込んだ。表紙を飾った『巨人の星』や ♪根性〜根性〜ど根性♪ と歌った『ど根性ガエル』などのエンタメ系と、教育現場の変化を伝えたり、愛甲 猛さんや森脇健児さんのど根性インタビューのリアル系だ。うれしかったのは、瀬古利彦さんが冒頭のプロローグに登場して、ビシバシ語ってくれたことだ。僕の言いたいことを代弁もしてくれて感謝している。
悲しい出来事があった。『びっくり日本新記録』での轟 二郎さんこそど根性だったと取材をオファーすると快諾してくださり、熱い熱いそのスピリットを語ってもらった。個人的には、この一冊の中で最も好きなページだ。僕にとって永遠のアイドル、桂木 文さんと『翔んだカップル』での共演についても語っていただき、囲みを作った。今回をご縁に、いつか『翔んだカップル』で演じた織田さんについて語っていただこうと企んでいたところだった。が、残念ながら取材から約半年後に旅立ってしまったのだ。本当にこの記事は必見なんで、持っていない方は今すぐ手に入れてくれ。そして、闘病中だったにもかかわらず取材にご対応いただいた轟さんに、感謝の気持ちをあらためて天へと送る。ありがとうございました。