高1の時のことだ。クラスメイトが「芳野藤丸のギターだよ」と僕に押し込んでくれた。「すげー」と言いながらも、その名前にポカンとしていると「SHOGUNのギター&ヴォーカリストだよ」とレクチヤーしてくれた。この時、1発で芳野藤丸さんの名前が強く記憶されたのはその響きのかっこよさからだろう。そして『男達のメロディー』や『Bad City』の世界観に強く憧れた中坊の自分ともシンクロしたのだ。
得意の脱線ゲームで、このクラスメイトはものすごく音楽レベルの高い男だった。まだまだお子ちゃまで、エアロスミスやクイーン、ハードロックなど偏ったミュージックジャンキーだった僕に、様々な音楽を押し込んでくれた。会って呑めば感謝の言葉を口にするほどである。芳野藤丸さん以外にも、ラーセン・フェイトンバンド、スティーブ・ウィン・ウッド、ジョニー・ウインター、RC・サクセション・嘉門雄三・松田聖子さんの『チェリー・ブラッサム』のベースを弾きすぎて腱鞘炎になった話…などなど、いつも知らない世界に連れて行ってくれた友だ。彼の口から出た芳野藤丸さんを恐縮ながら単語とタイトルさせていただいたが、あの日は強く強く想い出として残っている。
話を戻そう。最新号でブラウン管から聴こえてきたロックをインナーコンセプトにしていろんなセクションを作った中に「名曲にこの男あり」というタイトルで、ロックシーンを支えた凄腕ミュージシャンにスポットを当てた。日本の音楽シーンが大膨張時代を迎えていたから、スタジオミュージシャンたちは大忙しだったのだ。そんな中で登場していただきたい男こそ、芳野藤丸さんだった。そして見事にインタビューに成功して、最新号では4ページの貴重な記事を掲載できた。
さてさて、加えてこの写真だ。ぬぁんと昨日、我が社にご来社いただけたのである。実は昨日は大きな偶然も重なった。週一で電話出演させていただいているSBC信越放送のラジオ番組『ミックスプラス』では、最新号の記事からさらに深掘りしながらのトークを展開していて、昨日は芳野藤丸さんについてのトークだったのだ。曲は『男達のロメディー』をセレクトした。その放送の直後に来社いただけるアポが入っていたのは、偶然で片付けるにはあまりにも摩訶不思議である。今回の会談の目的はズバリ悪巧みだ(笑)。これはきっとうまくいくのではあるまいか。と、年の瀬にまた1つ来年につながる話ができたとさ。乞うご期待!!