【S50コラム】NHK特番『ガンダムを動かせ』に登場した“動くガンダム三銃士”のパネルも… GF横浜へ行ったら「ACADEMY」をチェック!

おはこんばんちはです。昭和50年男向け「S50ニュース!」…をいつもならお送りしているところなんですが、今回は「S50コラム」?という扱いで、ちょろっとお届けしてみます。

これまでも何度かご紹介してきた「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」「動くガンダム」。 
 
山田孝之と広瀬アリスが開発者を演じた缶コーヒー「ジョージア」のテレビCMもオンエア中で、ますます注目度が高まるなか、本日1月23日(土)には、NHKの特番『ガンダムを動かせ』の二度目の再放送もBSプレミアムで行われました。まだ未見で、早く実際に動いているところを見てみたい~!と思った方も多いことでしょう。

コロナ禍による緊急事態宣言のため、なかなか気軽に出かけにくい状況になってしまいましたが、会期は来年2022年3月末までということなので、読者の皆サマにもゼヒ一度は横浜・山下ふ頭まで足を運んでみていただきたいところです。
さて、「RX-78F00」と名付けられた動くガンダムはもちろんメインで最大の見どころなんですが、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」はそれだけ観て終わりではありません。

「GUNDAM-DOCK」の向かいの建物「GUNDAM-LAB」には、オリジナルメニューやご当地グルメが味わえる「GUNDAM Cafe YOKOHAMA Satellite」や、ガンプラや超合金など限定商品もいっぱいの公式ショップ「THE GUNDAM BASE YOKOHAMA Satellite」などがあって、めいっぱい楽しめます。
そして注目したいのが「ACADEMY」と呼ばれる展示パート。動くガンダムの開発プロセス、その設計や構造についてパネルや映像で紹介しているのですが、これが通り一遍なものではなく、今回の「RX-78F00」のプロジェクトを、ロボット工学やその歴史の上に位置付けてきちんと紹介する、かなり力の入った展示となっています。
 
その証拠に(?)、日本の二足歩行ロボットの元祖的な存在、1970年にスタートした早稲田大学「WABOT計画」で開発された「WABOT-1」なども展示。昭和50年男世代なら、EXPO’85 つくば科学万博に出展された、エレクトーンを弾くミュージシャンロボット「WASUBOT」を覚えている人も多いかと思いますが、そのルーツとなったものです。そんな歴史上の重要な遺産も、さらりと置かれているんですね~。

▲「ACADEMY」の展示風景。中央に見えるのが、早稲田大学のWABOT計画により1973年に完成した「WABOT-1」。 “世界初の本格的人間形知能ロボット” と言われ二足歩行も実現した、ロボット史的に貴重な存在
▲パネルとして展示されているロボット開発年表「HISTORY OF ROBOT DEBELOPMENT」
▲2007年発表の二足歩行ロボット「HRP-3」も展示。外装デザインは『パトレイバー』でお馴染みの出渕 裕が担当
▲『ガンダムを動かせ』の番組中にも登場した、動くガンダム「RX-78F00」を中心としたG-DOCKの全体模型も

 
冒頭で触れたNHK特番『ガンダムを動かせ』を観て、「動くガンダム」を作り上げていく面白さ、夢を実現すべく集まったエンジニアたちの静かなる情熱に心動かされた人なら、これら「ACADEMY」の展示は、非常に興味深く見学できるハズです。

また、件の特番で “動くガンダム三銃士” として登場し、富野由悠季カントクのダメ出し(?)に応じていた「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」の “GGCディレクター”、テクニカルディレクターの石井啓範 氏、システムディレクターの吉崎 航 氏、クリエイティブディレクターの川原正穀 氏の3人をフィーチャーしたパネルも展示されているので要チェック。番組内で語られたことがあらためて腑に落ちるのではないかと思います。

▲昨年11月30日に行われた内覧会に登場した “動くガンダム三銃士”。左から、石井啓範 氏、吉崎 航 氏、川原正穀 氏
▲全体設計担当のテクニカルディレクター・石井啓範 氏のパネル
▲“頼れる現場指揮官”!
▲ソフトウェア担当のシステムディレクター・吉崎 航 氏のパネル
▲“「動き」なら任せろ!”
▲デザイン担当のクリエイティブディレクター・川原正穀 氏のパネル
▲“前回も経験した歴戦のベテラン”

ちなみに昨年の内覧会の際、このお三方に少しお話を聞くことができたのですが、川原氏はズバリ昭和40年男の1965年生まれ、石井氏はニア昭和50年男の1974年生まれで、それぞれ『昭和40年男』『昭和50年男』を読んでくれているとか。さらに吉崎氏は1985年生まれだそうで「『昭和60年男』もよろしく」とのメッセージも…!
 
筆者としてはなんとも親近感がわいてしまったのですが、昭和40年男、50年男、60年男、と各世代の力が集結して今回ガンダムが動いたのだと思うと、なんとも感慨深いところです。そして、それだけ幅広い世代を魅了してきた “ガンダム” というコンテンツの影響力、その存在の偉大さをあらためて実感させられてしまいました。
 
…といったところで、以下「ACADEMY」の展示風景をもう少し見ていきたいと思います。

▲歴代のガンプラによって「RX-78F00」に至るまでのデザインの変遷も展示。アニメの設定では線を減らすことが要求されるが、ガンプラとして立体化が続けられたことで、ディティールがつき詰められ、可動機構も現実的に検討されていった
▲2009年にお台場に登場した実物大ガンダムと、今回の「RX-78F00」の外装デザインの違いをまとめたパネル。全身を動かすために調整していった結果、必然的により人間に近いシルエットに近づいていったという
▲実際に動かすための現実的なフォルムと、アニメやガンプラでのイメージをマッチさせるため、デザイン上の様々な工夫も凝らされている。従来よりも膝関節の位置はかなり低く、脛が短くなっているが、その分、膝上の装甲を長く伸ばしてある
▲頭脳と神経、骨格、筋肉、皮膚と感覚器…と人体になぞらえて構造を解説。まさに「MAN-MACHINE」…人間解体!!
▲「動くガンダム」の機構を学べる体験型のコーナー。ハンドルを回すと動く構造モデルには科学館のような趣きが
▲「GUNDAM PILOT VIEW」のコーナー。ドーム状スクリーンを通じて「動くガンダム」のパイロットとなり、コックピットからの視点も体験できる。ソフトバンクの5G通信 “ミノフスキー粒子に阻害されない” クリアな映像が楽しめるとのこと
▲ 幅10m×7mの大型スクリーンによる「ARウインドウ」。GUNDAM-DOCKのライブカメラ映像とともに「動くガンダム」の稼働状況がリアルタイムに表示され、各関節の動きの速さや、どのぐらいの力がかかっているかも知ることができる
▲「動くガンダム」シミュレータのコーナー。システムディレクターの吉崎氏が開発した、モーション制御ソフトを実際に体験できる。選択式にモーションを設定できる初級者コースと、各関節の角度を直接設定できる上級者コースが用意されている
▲実際の「動くガンダム」と同じ可動範囲でポーズを再現
▲上級者コースの画面。各関節をスライダーで操作可能

 
さてさてそんなワケで、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」を訪れた際にはゼヒ「ACADEMY」の展示もじっくりと楽しんでみてください。このプロジェクトを実現したテクノロジー、そこに至るまでのプロセスや関わった人々の熱や想い、そして、これからの課題とさらなる未来への夢… こうした背景を知ることで、「動くガンダム」を観た感動がさらに何倍にも大きくなることでしょう…!!
▲「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の一角に掲示された富野由悠季氏のメッセージ。昨年12月18日のお披露目の際に語られた、ガンダムが動いたことで感じられた “やさしさ” について触れられている。富野ファンは必読!

▲入場ゲートにも、“動くガンダムができるまで” のなんとも燃える記録写真が展示されているので要チェック。“動くガンダム三銃士” をはじめ、多くのスタッフの力が結集して完成したことがよくわかり、特に最後の集合写真にはグッとくるハズ!


 
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