箱根駅伝は 東洋 vs. 駒澤か?

大学駅伝ファンの皆さん、こんにちは。昨日は大学3大駅伝の2つ目、全日本駅伝が行なわれた。1発目の出雲全日本は、駒沢大学アンカーの猛追から、26秒差で東洋が逃げ切った。昨日はまったく逆の、最終区で東洋が追う展開となり、エース柏原選手が1分以上縮めたものの33秒及ばず、2位という結果だった。去年は3大駅伝すべてを制した早稲田が、両大会ともに3位という結果で、この3校が正月の箱根駅伝の優勝候補ということになるだろう。

出雲と全日本は、見ているこっちはどうも箱根の前哨戦のようにとらえがちだか、選手たちにとってはもちろんそんなことはなく、昨日の柏原選手はゴール後大泣きだった。またこの3大会は同じ駅伝という言葉でくくれないほどキャラクーは異なる。出雲は44.5㎞を6人でつなぐハイスピードレースであり、最長距離が10.2㎞でそれ以外の区はすべて8㎞以下の短距離なのだ。昨日行なわれた全日本駅伝は、106.8㎞を8人でつなぐ。もっとも短い距離が9.5㎞で、もっとも長い区間が19.7㎞と、1人ひとりの距離は出雲のおよそ倍となる。そして箱根駅伝は217.9㎞10人でつなぐ過酷なレースだ。4区がもっとも短い18.5㎞で、あとの区間はすべて20㎞以上だから、並べてみると一目瞭然、似て非なるレースなのである。この3大会を早稲田は去年すべてを征したのだからスゴイ。決め手は選手層の厚さだった。その意味で今年は駒沢大学が一歩抜けていると報じられていて、昨日は見事にそれを実証する強さで、出雲の雪辱を果たした。

だが箱根が楽勝ということはもちろんない。東洋は他が持っていない圧倒的な武器がある。山昇りと呼ばれる5区を脅威の早さで駆け抜ける新・山の神、東洋のエース柏原選手の走りだ。去年の5区では2位に3分近くの差をつけてゴールしていて、まさに手がつけられない。他校からすれば東洋は大きなアドバンテージを持っていることになる。たとえばエース区間の2区で、どんなスーパーエースを持って来ても2位に3分もぶっちぎることはない。平坦な路でそこまでの差はできないのに、山登り区間ではその差が生じる。箱根駅伝でしか生じないアドバンテージなのだ。去年の柏原選手は不調であったものの、それ以前の山の神と呼ばれた今井選手の最高記録を上回っている。今年4年でキャプテンになり、最後の駅伝で気合いが入らないわけがない。昨日の復調ぶりを見ても、自身が持つ歴代区間賞トップに挑むはずで、調整に失敗しなければトップ争いを展開する他校に対して4〜5分のアドバンテージを持つことになるだろう。スピード時代といわれる最近の箱根駅伝であるから、なおさら大きなものだ。そして早稲田の厚い選手層も身逃がせない。三つ巴でおもしろいレースになりそうだ。

それにしても若い頃はそれほど興味がなかった学生駅伝だが、歳とともに虜になってしまったのはなぜなんだろう。ここ10年ほどはテレビにかぶり付きだもの。親父が熱狂していたことが、いつの間にか乗り移っているのか。沿道の応援を見ると、中年から高齢者が多いし琴線に触れる何かが潜んでいるのかもしれない。ともかく、ますますお正月が楽しみになった全日本の結果だった。

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