10月26日。
印刷所から“昭和40年男”の完成品が届いた。
さっそくページをめくる。
何度もチェックした原稿だし
ページの順番に並べてリズムや流れのチェックも繰り返してきた。
なので、次のページ展開と内容が完全に頭の中に入っていて、
読者として楽しめないのがちょっと残念である。
うーん、かわいい。
自分の中から生まれた、まったく類似誌のない本なのだ。
かわいくて表紙にスリスリしたいが
藤岡さんの厳しい表情がそれを許さない。
ひとしきりかわいがって考える。
さて、この本売れるのか?
よくできたと思う。
自画自賛はいくらでもできる。
だが、はたして俺のタメ年たちは支持してくれるのか?
「いいねえ」とか「おもしろいねえ」とか言ってもらう前に
680円もの大金を払う価値がはたしてあるのか?
自分の尺度ではもちろん払う価値を目指してつくった。
だが、今こうして完成品を読者視点で見ることができない自分には
まったく予測できないのである。