「逢いたかったよ。でも男にはやらなければならないことがあるんだ。とはいえもう我慢できない。君が心の底から好きなんだ。今行くよ」
と。出かけたのは写真でおわかりのとおり吉野家だ。このつぶやきにお付き合いいただいている方々はなんとなくご存知でしょう、僕は現在スーパーダイエッターになって奮闘している。55歳の誕生日に高校時代の体重を取り戻すことを目標に果敢にチャレンジした。だが加齢とは残酷なもので、これまで幾度となくトライしてきたダイエットに比べて下降が極めて弱く、7月末の誕生日に達成はできなかった。普通ならそこで「もういいや、よくやったよ俺」とおしまいにしてしまうところだが、今回はやる気だ。ついに目標まで3㎏を切った。もう少しだ。
ということでご褒美である。以前にもここでつぶやいたことだが、たまに気持ちを逃してやらないと長続きしない。で、つい先日にはこうしてご馳走をいただいた。それにしてもワンコインでお釣りがくるのになんちゅう至福なんだろう。そしていつも強く考えされられるのが、雑誌の価格だ。780円の価値について牛丼を噛み締めながらふんどしを締め直し、さらにご批判も散見される総集編の1,280円についても考えさせられる。舌と胃袋は至福なのに脳は悩ましく動く。いつもいつも吉野家ではそんな気分にさせられるのだ。
またしばらくこの丼に逢えないことがわかっているからと、僕が向かったのはオレンジの吉野家だ。最近かっちょいい黒の吉野家が増えているが、僕は断然こっちだ。ウンウン、やはりいい。しばらく来ていなかった間に、元気のいいおばちゃんが入店していて、お客さんに次々声をかけているじゃないか。吉野家は会計を現金で貫いていることに信念を感じるうえ、こんな昭和なおばちゃんまで装備されたら完璧である。「ダイエットの邪魔するなーっ」と心は叫びながら、会計後におばちゃんから「行ってらっしゃ~い」と言われてジーンとしながら店を出た。まずいっ、またすぐ来てしまう気がする。