ついこの間まで、熱中症対策にはこまめな水分補給を…なんて言っていたと思ったら、この週末は気温もぐっと下がり、外に干した洗濯物も気持ちよくカラッと乾きにくい気候になりました。汗をかくこともなく、過ごしやすいといえば過ごしやすい季節ですが、油断して風邪をひきやすい季節でもありますので、体調には気をつけたいところです。特に明け方は寒いですから、ちょっと肌寒く感じたらすぐにかけられるように、寝る時にタオルケットや毛布をもう1枚用意しておくといいかもしれません。
さて今日は、「実は水を飲むのが苦手」という、健康にまつわるコラム(もどき)を書いている編集部・まつざきにとっては、これ言っていいのか? レベルの話です(笑)。朝起きてまず水を1杯飲む! というのは、おそらく血液をドロドロにしないためにはもはや常識といっていい健康法のひとつだと思うのですが、実はその基本のキが、最も苦手なのです。あまり汗をかかなくなってきたとはいえ、2年ほど前にも書いたように、水分補給が大事なのは何も夏に限ったことではないというのをあらためて思い返してみました。私のように水を飲むのが苦手という人は「白湯」や、糖分やカフェインの入っていない「お茶」の類がいいと思います。事実、水だと一日に300mlは飲めない私もごぼう茶は1年半毎日欠かさず300ml入りのマグボトルに入れて飲んでいます。それ以外に水分らしい水分といえば、朝夜の薬を飲む時の水(たぶん100ml程度)、一日2~3杯程度のコーヒー、時々ビタミンC補給のための微炭酸ドリンク、たまに飲むみそ汁…このくらい。毎日お弁当のデザートで食べる、プチトマトやリンゴなどから得られる水分を考えてもやや少ない気はします。いや、絶対に少ないですね。水分不足の健康リスクとは何かを考えると、歳をとればとるほど水分補給には気を遣わなければならないのではと思うのですが、一方で、個々の生活の違いによって当然その必要摂取量は同じではないのでは? という疑問もわいてきます。
塩分を取り過ぎなければのどは渇かない?
たとえば私の場合、大量に汗をかいた時以外で、「水」を欲して飲むのは、味の濃い食べ物を食べてしまった時。この状況にほぼ限定されます。もともと、主人共々薄味志向なのでめったにそういうことはないのですが、何かの事情で外食をした時や、たまたま買って食べたお弁当や総菜の味が濃いともうだめです。とにかく、その日は「体内の塩分濃度を薄めろ!」とばかりに水が飲みたくなるという異常行動(私にとっては)になるわけです。うん、そうか。一日2リットルの水を飲むためには味の濃い食事が必要なんだ…と気づくも、それってちょっとどうなの???私が「水」を飲みたくならないのは、塩分摂取量が適正だから?いえ、そうとも言いきれないとは思いますが、その説が全く外れているわけでもないでしょう。同じように、お酒を飲むと脱水症状になるので、のどが渇き水が飲みたくなると言いますが、お酒は飲めないのでそういった脱水症状になることはないです。では、特に「汗もかかず、お酒も飲まず、塩分摂取量も多くない」という場合、どのくらいの「水」を飲むべきなのでしょうか? 「汗をかき、お酒を飲み、塩分摂取量が多い」人と同じ量ではないはずです。
一般的には、「一日で約1.2~2リットルの水分が失われる」と言われ、2リットルほどの水を飲むのがよいと言われています。しかし、ここでまずは失われる量に0.8リットルの開きがありますし、食事などからとる水分量も日によってまちまちのはずですから、一概に「一日2リットルの水を飲もう!」というのは少々乱暴な気もします。もちろん持病があって主治医から指示されている方は医師の指示に従う必要がありますが、特に現状の健康に問題がない場合は、下記の6つのポイントに留意して、必要に応じて水分を摂取してみるというのはどうでしょうか。
(1)寝起き
眠っている間に、汗などで水分が排出されているため、水分が足りない状態です。寝起きに飲むのは排出された水分を補うため。
(2)のどの渇きを感じる前
のどが渇いた時は、体内ですでに水分が不足している状態です。のどが渇く前に少量ずつこまめに水を飲むことが大切。
(3)食前
胃に食べ物が入っていると、消化する際に水を過剰に溜め込みやすく「むくみ」の原因になるので、水分補給時はなるべく胃の中が空っぽの状態で。
(4)汗をかいた後
特に運動をしなくても、汗をかくだけで気づかない間に水分不足を起こします。水を飲むことで体温を下げる効果もありますので、多めに水分補給を。
(5)入浴前後
入浴中も汗をかいて水分が排出されるものです。そのため、入浴する前にお水を飲んで、水分が出ていくのに備え、また入浴後にも失われた水分補給を。
(6)運動前後
運動して体を動かすと、たくさん汗をかき水分が失われます。屋外でのスポーツでは熱中症になることもあるので、運動中や後にもこまめな水分補給を。
体内の水分量は年齢と共に減っていく
上記のどれもが大切なポイントです。運動すれば自然と汗をかき水分が欲しくなりますが、特にのどが渇かなくても、運動をしなくても、寝起き、食前、入浴前後の3つは少なくとも意識したい項目です。逆に、特に汗をかいたわけでもないのに、やけにのどが渇く場合は糖尿病などの疾患のおそれもありますから、身体が水分を欲するということにはいろいろなサインもあるということを意識しつつ、自分に取って適量の水分を補給心がけましょう。人間の身体に占める水分量の割合は年齢と共に下がっていくというのはご存じだと思います。新生児では80%、幼児で70%と言われる水分量が、60代になると50%ほどになると言われています。身体の水分量を保つということはアンチエイジングでもあるわけです。若さを保つために必要と言われたら、これはもう「水分」ちゃんと摂るしかない! 何度か挫折した「寝起きの水」にも、心を入れ替えてもう一度チャレンジしてみよう…。私のように水を飲むのが苦手だという人も、「美と健康」のために今日から水分補給(お酒以外ですよ!)をぜひ意識してみてください。