教えたくない絶品カレーを出す店がある。もちろん好き嫌いがあるから誰にも絶品とは言わないし、本物のグルメな方に比べたら舌がいい方でないのを前置きしておく。お前を信じて行ったのに損したよバカヤローとか言われても、一切責任取れましぇーん。僕のわがままなつぶやきであるから、その辺はよろしく。
ここではよく登場する店、ネパール母さんのポタラカレーに久しぶりに行ってきた。今回僕がトライしているダイエットは、50歳になる直前以来の真剣さだ。当時より5年経ていることによるきっと基礎代謝の減衰だろう、苦労は前回より断然大きいものの、わりと高く設定した目標まであと3〜4㎏のところにあり、昼飯抜きは続けられている。根っこはそもそもなんちゃってな僕だから、たまに昼飯をガツンと食うことで逃がしてやることにしている。つい先日も、昭和な味噌ラーメンにしょっぱい半チャンラーメンつけて喜んだことをここでつぶいた。こうしてダイエットストレスによる逆ギレ&リバウンドを防いでいるのだ。こうしたところはやはり人間の成長だな。
飢餓状態にある僕が逃がしてやろうと浜松町エリアでまず出かけるのは前述の半チャンセットであり、次点が写真のカレーだ。サイトなんかでは人気が出ている感じがするが、おそらく敬愛する『dancyu』にはまだ見つかっておるまい、ふっふっふ。いや、もしかしたら掲載されたけど肝っ玉ネパール母さんはそれを誇らしげに紹介していないだけかもしれない。謎は謎のままで行き場はないが、うまさと個性、プライス800円は掲載しても編集部に苦情はいかないだろうと思うからいかがでしょう。って、冒頭で舌が悪いと言っているとおり、あちらのクオリティにはそぐわず外れたのかもしれんな。
かなり辛い。先日相席した2人組は常連が初めての女の子を連れてきたようで「ここに来るのにハンカチ忘れるのはヤバイ」と説明していた。僕はハンカチだけでなく必ず扇子も持参する。それでも滝のように汗を流しているおっさんなのだが、周囲には涼しい顔で食っている方もチラホラいるのだからすごい。
その辛さともう1つ、かつては高いハードルがあった。ルーのおかわりだ。多くの客が利用するこのサービスなのだが、なんとなくカレーっつうのは盛り付けられたバランスの中で配分しながら食う物だとの、やせ我慢のダンディズムが邪魔していた。が、ある日隣の席の方が、ご飯小盛りにしてルーを2回お代わりしているのを見て、僕のダンディズムはぶっ壊れた。一昨年にはそんなやせ我慢の美学をつぶやいたくせに、今は堂々とルーをおかわりする。だが当然ながら余計に辛さを感じることになり、汗の量も倍増されるってことだ。おかわり解禁以前より高い満足感を得られるものの、汗びっしょりで店を出るおっさんにダンディズムなんかひとっカケラもない。