今週末はこいつで騒ぎを起こすぜ。ついさっき、印刷所から届けられたのは『昭和40年男』の兄弟誌『昭和50年男』だ。去年の10月に創刊したから、1周年で1歳児になった。おー、めでたいじゃないかパチパチ。今回の特集はご覧のとおりスポーツだ。11年やってきた『昭和40年男』でもできそうな特集ではあるが、断然『昭和50年男』にぶつけた方がおもしろい。その大きな要因を作ったのが大空 翼くんとその仲間たちによる。『キャプテン翼』によって野球一辺倒だったガキの頃のスポーツ環境に地殻変動が起きた。これが後に、スポーツ多様化の流れを作ったと言えるだろう。だから『昭和40年男』では同じスポーツで特集となると野球になり、打ち込んだことがある。コケたけど(笑)。
創刊時に、『昭和50年男』にまつわる僕の不用意なつぶやきで、多くの方々を不快な思いにさせてしまった。『昭和50年男』は「つまらない」と書いたことがその原因で、もちろんこの表現は大バカヤローだと猛省してるが、命を削って作っている分身に対してそんなつもりはまったくない。真意はあたり前田のクラッカーで、俺たちには深いところまで理解できない記事が多いということだ。それだけ10年のモノやカルチャーの差異は大きく、まっすぐに昭和50年生まれ周辺世代に打ち込んでいるということだ。『キャプテン翼』の連載が始まったのが1981年だから、俺たちはジャンプからヤンジャンに移行していた者が多かろう。だからもしも『昭和40年男』で同じ特集をしたら絶対に『ドカベン』だ。『巨人の星』のうさぎ跳びを表紙にする俺たちで、そんな表紙に50年男たちは食いつかないだろう。
が、今回の号は突き刺さる記事も多いから、俺たち世代諸氏もぜひ手にとっていただきたい。そしてこれはいつも僕からのメッセージとなるのだが、慎重に吟味していただきたい。雑誌は立ち読みで勝負する商品だと考えている。僕と読者さんの戦いのリングは、書店・コンビニなのだ。780円という大金を出すか出さぬかの判断は、その号ごとの毎度の勝負であり、僕は「うちの読者」という表現をしないように心がけている。これほどターゲットを絞り込んでいるのにだ。
同じ編集部で作っているから、『昭和40年男』に学んだ企画が多く入っている。兄貴やタメ年、アイドルなどのページがそれで、これらの企画でも当然ながらその取材対象者は大きく異なる。とくに兄貴においては表記をアニキにして、タイトルも“世界に羽ばたいた”としている。俺たち世代にとって、世界を舞台に活躍するのは奇跡に近かったが、50年世代にとってはあたり前とまではいかなくとも、十分に夢が見られるようになっていた。その部分でも実は『キャプテン翼』は大きな存在だ。この漫画によって夢を見て、ワールドカップに出場した選手は多い。
ともかく、この兄弟誌の差異を感じていただくことは、実はすげーおもしろい。くどいようだが立ち読みでも構わない、僕ら編集部の変態的な執念を感じていただければ幸いだ!!