不定期連載『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』のレッド・ツェッペリン編の続きだ。この連載は、音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、各ミュージシャンから1枚、僕の独断でセレクトしていこうという企画で、悩み抜いてセレクトしたのは『Led Zeppelin2』だ。中2のときに、現役ラストアルバムとなった『In Through Out Door』をリリースして、翌年の1980年に解散してしまったから、あまり馴染みのない方も多いかもしれない。一方で古いアルバムまでさかのぼって買いそろえ、ジャンキー状態だった方も多いことだろう。
レッドツェッペリンのアルバムを分類すると、エネルギーと勢いで作った、荒さがよさとなった好例である『Led Zeppelin1』と『Led Zeppelin2』が第1グループとなる。第2グループは、創作意識が高く試行錯誤がいいカタチになって現れている『Led Zeppelin3』と『Led Zeppelin4』で、すさまじい進化を遂げた2枚だ。さらに曲づくり、演奏ともに円熟期を迎える『Houses Of The Holy』と『Physical Graffiti』が第3グループとなり、ややシンプルでありながらヘビーなサウンドへと移行した『Presence』と、それまでが嘘のように創作意欲を感じさせない最終作の『In Through The Out Door』へと流れていく。現役でのスタジオレコーディング作品はたったの8枚しかなく、『Physical Graffiti』までの6枚のアルバムは、どれを最高傑作と言っても異論は出ないスゴイ作品ばかりだ。『Presence』も傑作であるが、「後期の」という注釈が付いてしまうのは、比較してしまうと若干戦力不足といったところ。
また第1〜3までグループとしたが、それぞれの内容はまったく異なるすばらしさがある。予想を上回る進化を続けていて、こうして並べて俯瞰で見ると落ち着いていられるが、リアルタイムで新作のリリースを体験できた先輩方はそれは興奮の連続だっただろう。僕はすっかりハマって、すべてのアルバムを聴き終えた高校生のころ、ファーストから順番に買いそろえていきながら聴けばよかったと、強く強く後悔したほどだった。さらに、FMの特集で各アルバムから3曲程度をセレクトしてつくられた番組をエアチェックして、何度も聴き込んだことも同じく後悔したものだ。10代の少年にそう思わせるほど、わかりやすいクオリティだったのと、くどいようだがアルバム1枚ごとの進化と変化が想定外なのだ。ツェッペリンに愛を込めて続く。