2月29日にこのタイトルで無念を綴った。ずいぶん昔のようにも、つい昨日のことのようにも感じられる。バイクの仕事も懸命にこなしている僕にとって、春はそっちの仕事が超繁忙期になる。そりゃあそうだ。新年度で生活が変わってバイクの需要が生まれる。陽気に誘われて乗りたくなる方が多いというのもあり、メーカーはこの時期に魅力的なモデルを投入して、そのお披露目のごとく3月最終の金曜から日曜日は『東京モーターサイクルショー』という10万人以上を動員するイベントが開催されるのだ。ウチの会社は写真のでっかいブースを展開してお客さんを待つ。参加者に喜んでいただけるように工夫を凝らし、運営に汗を流すのが心地よく、日曜日の終了を知らせる蛍の光を聞くと爽やかな疲れと感動でうるうるするのだ。が、今年は憎っくきコロナで中止になり、2月29日にぶちまけたのである。
その際にこんな文言を綴っている。
いろんな意見が飛び交っている。思い出してしまうのは3月11日だ。あの時も今回も、行き場のないネガティブを連発する人が多くいて、行き場はないくせにドヤ顔になる。民放の情報バラエティは、批判にさらされないようにドヤ顔君たちの顔色をうかがい、発信を懸命にこねくり回してやはりドヤ顔になる。そこにお伺いを立てるがごとく、イベント主催者は苦渋の選択を強いられているとしか僕には見えない。
ウンウン、7ヶ月がすぎた今日でも通用する言葉じゃないか。とはいえこの後、3月末になった時点で中止の決定は正解だったことになるが。
な〜んて話じゃない。ぬぁんと、来年3月の『東京モーターサイクルショー』の中止が早々に発表されてしまったのである。うぎゃー、決定が早すぎないか? もう少しジタバタしなくていいのか? 僕はバイクの魅力を語るときに “前にしか進まない” という表現(一部例外もあるが)を使う。国内における最大のインドアイベントでありバイクシーズン到来のシンボルなのに、なんでこの段階で前に進むのを諦めるのだろうかと理解に苦しんでいる。
GO TOをガンガン回している昨今で、経済回せの語気が強くなっている最中だ。これに関して、議論はどれだけ尽くしても正解なんか出ないだろう。反対派の方々の主張も己の信念で発信しているだろうから、それ自体を弾圧する気は無い。が、僕の持論は経済回せ派であり、その僕が懸命になって動いている業界だけに、なんだか裏切られた気分にまでなってくる。悔しい、悲しい、寂しい。
でも一方でこんな理解をする僕がいる。大規模イベントだけに、早めに決定した方が被害は少なくて済む。キャンセル料なんかも含めて、きっと判断タイミングみたいなものが今なのだろう。もし開催の決定をして、その日まで現在のような状態が続いていたら、やれるにはやれるが入場規制になってしまうだろう(スゲー、密なんです)。そんな開催では、イベントの価値は大きく下がってしまうのは間違いない。規模が小さく並べて論ずるのは恐縮ながら、僕が愛している「秘密基地」を再開しないのは、やれマスクだ、やれソーシャルだとビクビクしながら開催したくないからだ。やるなら全開のガハハでハグも握手もありで騒ぎたい。それこそが秘密基地だから再開の日はまだ遠い。これと同じことかと思うと、少しは悲しみも収まるってもんだぜ。