間にいろいろと挟んでずいぶんと久しぶりになったが、不定期連載「懐かしの名盤ジャンジャカジャーン」の レッド・ツェッペリン編の続きである (シリーズ第1回・シリーズ第2回) 。音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、僕の独断でセレクトしていこうというもので、ここまで、クイーン、ストーンズ、ロッド、RCサクセションから、それぞれ1枚ずつをセレクトして解説してきた。5枚目はついに王者ツェッペリンを展開してきたが、突如悲しい知らせが舞い込み、柳ジョージ&レイニーウッドからのセレクトを割り込ませ、これで6枚目となる。悩み抜いてセレクトしたのは『Led Zeppelin 2』だ。昭和40年男とレッド・ツェッペリンのつきあいは? 中2のときに、現役ラストアルバムとなった『In Through Out Door』をリリースして、翌年の1980年に解散してしまったから、あまり馴染みのない方も多いかもしれない。
前回は、ツェッペリンが光り輝いた ’70年代のロックシーンについて書いた。補足になるが、’70年代後半から ’80年にかけてのほんの数年は、ロック史が激変期を迎えていて、特にその幕引きとなる ’79年と ’80年には、レッドツェッペリンだけでなく、ビッグアーティストたちがこぞってアルバムを出して、数々の問題作が生まれている。’79年はくどいようだがツェッペリン唯一の駄作である『In Through Out Door』がそびえ立つ。それまで順風満帆な活動とセールスを誇っていたエアロスミスは、看板ギタリストであるジョー・ペリーが脱退に至った『Night In The Ruts』をリリースして大失敗した。『ホテル・カリフォルニア』で、スピリットあふれるロックの姿は幻想だと、まるで幕引き係となったイーグルスだったが、’79年にリリースした久しぶりのアルパム『The Long Run』で存在感と自らの未来を宣言するのかと期待したが、はっきり言ってしまえば駄作だった。’80年に活動を休止してしまい、まるでツェッペリンと仲良く歩調を合わせるかのようであった。大物の中では唯一と言っていいかもしれない、ピンク・フロイドが2年ぶりに出した『The Wall』はずっしりと聴き応えがあり、傑作とまではいかないまでも秀作と言える出来だった。
’80年にはクイーンがついに禁断のシンセサイザーにちょっかいを出した『The Game』を出し、「愛という名の欲望」と「地獄へ道連れ」(ともになんちゅう邦題か) を大ヒットさせたものの、’70年代の自分たちと決別したかのようなその後の音づくりに突入する。さらにストーンズは、主張のかけらもない錆び付いてしまった包丁のようなアルバム『Emotional Rescue』をリリースした。イエスも『Drama』で、バンド自体がヘンテコな方向へ行くキッカケを作っている。とまあ、並べてみると大きなターニングポイントであったことがよくわかる。そんな ’79〜’80年をリアルタイムで感じてきたのが、僕たち昭和40年男なのである。主役のツェッペリンを取り巻く奇妙な名脇役たち? いやはや、なんともおもしろい。続く。