ソフィー・マルソーに恋をした ~大編集後記。

 

連休をめいっぱい楽しんでますか? 僕は今日もしつこく、最新号紹介をさせていただくぞ。

 

第二特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』は昭和58年を切り取った。ハイティーンの甘酸っぱい思い出には、失敗ばかりの日々や日替わりで生じる恋心、人生ってやつを少しばかり本気で考えさせられたり…なんてこともあって、心の活動がもっとも活発だった時期だろう。そんな頃、1人の女の子が僕をメロメロにした。いや、僕だけでない、日本中の同世代諸氏が彼女に恋をしたはずだ。舶来の美少女の登場はあまりにも鮮やかだった。

 

起点は昭和57年の春のことだった。テレビCMによって映し出された妖精は、13歳時の姿だった。俺たちはやがて17歳を迎えるってのに、なんでこんなにも年下の少女に恋してしまったのだろう。金八先生の生徒の伊藤つかささん以来となる年下フォーリンラブだった。しかも映像で見た時の年の差はつかさちゃん以上に離れていたのだから、さすが舶来品だ!! 「おら、いつかフランス人と恋に落ちるんだ」と描いた夢は、その後40年近くを経ても実現されておらず、きっと一生ないだろう。いや、思い描くから恋だし夢なんだ(笑)。

 

『ラ・ブーム』『ラ・ブーム2』ともにテーマ曲が素晴らしすぎる。今聴いてもジーンときてしまうし、あの頃へと一瞬にしてタイムスリップできる。つい先日、偉大なるシンガーソングライターの杉 真理さんとの仕事の際に最新号の話題になり、「いい曲だよねー」と彼の才能をもってしてそう言わしめた。そして俺たちにとっては、甘酸っぱい日々とリアルタイムで完全シンクロするメロディーであり、ソフィー・マルソーへの恋心を加速させたメロディーでもあった。

 

4ページの記事でお話をうかがったのは、1つ下の映画ライターの相馬 学さんで、同世代ならではの心情を多く語ってくれていて楽しい。僕の記憶は曖昧だったのだが、2年連続で立て続けに公開されたシリーズで、『ラ・ブーム2』はソフィー・マルソーにとって3年ぶりの作品だったとのこと。ソフィーの3年の成長に戸惑ったという相馬さんは、さすが後に映画ライターになるだけある。まあそうですな、ティーンの頃の3年といったらものすげー変化を見せていたものな。中学の頃のあの子には興味なかったのに、高校生になったら恋をしたりとかね。てな訳で、長い連休に飽きてきたみなさんは、『ラ・ブーム』シリーズで恋心を再燃させてはいかがだろう。

 

そうそう、13歳デビューといえば『野生の証明』の薬師丸ひろ子さんもそうだった。双方ともにおそるべき魅力である。10代だからこその、一瞬だけ放てる光ってあるな。凡人には味わえない極みのひとつなのかもしれないな。

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