自他共に認める “西部警察芸人” とサブタイトルがついた、ペナルティ・ヒデさんの西部警察への愛は山よりも高く海よりも深い。が、その愛だけを描いたページではもちろんない。自分の中にある “漢” 像が、大門軍団にこそある、と彼は語っているのだ。クルマ特集としてスタートした企画を刑事ドラマで切ったことで、深みのある特集になった。この見開きインタビューは、特にその深みを担っていただいた。
昨日もネタにした、1冊の中からグッとくるコメントを並べた巻頭の「FEATURE WORDS」では、彼の言葉から「今ならパワハラとかダサいとか言われちゃうこともあるんでしょう」を使わせてもらった。そう、いつも世の中に言いたいことだ。なんでもかんでもハラスメントで済ませてしまう現代は、本当に狂っていて腐っていると常々パンクな気分になっている僕だから、西部警察を通じて代弁してくれたペナルティ・ヒデさんに深く感謝している。
えっ、イカンイカン、なんの話だっけ(笑)。氏からそこまで愛されるかという要素が西部警察にはあり、それは突き詰めていくと石原軍団の理想や理念、そしてそれぞれの人間性が高みにあることがわかる。中でもその軍団を石原さんに代わって率いた渡さんのことを、今回の特集とその最中の訃報によって何度も反芻しては魅力を紐解こうとした。ご本人に触れたことがないうえ、残念ながらそのチャンスは永遠に訪れることがなくなってしまったから、余計に考察の旅に出ることになる。
この記事を読んでいると、強くシンパシーが得られながら、きっとペナルティ・ヒデさんと僕は軍団を、そして渡さんを同じようにとらえているんだなと感じさせられた。これはきっと、多くの同世代諸氏も同じ想いに至るはずだ。僕は渡さんを扉ページで “漢の中の漢” と表現した。いつだって俺たちは漢を求めながらも、弱さやつらさ、怠け者な自分に流されて見失いがちだ。逆に、見失うことが極端に少ない、もしくは全くないと言っていいかもしれない漢が渡 哲也さんなのだととらえている。女々しくて弱虫な僕には到底たどり着かない漢ながら、思わなければ近づけないこともよーく分かっている。渡さんを目指して、今日もちょっとだけ磨くぜ! と、そんないい気分にさせてもらえる最新号をぜひっ!!