佐賀紀行 (1) 九州までクルマでゴー!!

昨日も書いたが、47都道府県宿泊&呑みを達成した最後の地が佐賀県だった。短い滞在時間だったが、せっかく出かけてきたのだからレポートをお送りしようと思う。旅のカタチはいろいろあれど、こんなのもその一つと思っていただけたら幸いである。

先週金曜日、14日の夜に東京を出発した3人の男のうち、2人はひたすらハンドルを握り西へ西へとクルマを走らせる。ひたすら走るハイエースは働き者である…、違う、運転手ががんばっているのだった。深夜の高速道路は交通量が少なく、とくに中国道に入ると極端に交通量が減る。照明のない真っ暗な道路を、ヘッドライトがずっと同じように照らすのを見続けていると、なんだか異次元にさまよい込んだ気分になる。さっきまでいた自分の世界に戻れなくなったらどうしようとか、いらんことを考えているのはちょっと楽しい。

深夜の高速道路を走ることの楽しみは、なんといってもやがて明けてくる空だ。真っ暗だった空に、かすかに蒼が混じり始めるその変化は、いつも新鮮な気持ちを運んでくる。深い蒼はやがて白を混ぜていき、ラッキーなときは太陽の圧倒的な光が混ざる。この日は太陽不在の朝だったが、それでも気持ちいいことこの上ないのは、深夜の長さと闇をたっぷりと味わった者の特権なのである。鶴光さんのオールナイトニッポンを聴き終えて流れてくる、『ビタースウィート・サンバ』みたいなものだ。

運転手の交代とトイレでわずかな休憩を取り、2人のドライバーは運転し続ける。大型二輪免許も小型船舶免許も、当然ながらここではなんの役にも立たず、運転できない僕は肩身が狭い。よく長時間退屈でしょうと言われるけど、そんなこたあない。車窓ってヤツはいろんなシーンを映し出すのである。そもそも土地の名称ひとつとっても考えさせられるじゃないか。意味深な土地名を見つけて、日本地図上に走行中のその場所を重ねて、古の時代に空想を広げれていけば、そこには歴史ロマンやときにはオリジナルストーリーがでっかく広がる。なんてことで楽しんでいるうちに、佐賀の目的地そばのインターまで来た。すでに午後1時を回っていたが、無理して深夜に出かけたおかげで思いがけない時間を作れたことになる。ならばと、昼飯がてら目的地からほど近い、県庁所在地あたりを見てみたいとリクエストした。なんといっても初めての佐賀県なのだから。今回同行した者には、偶然にも僕と同じくこの日47都道府県滞在を達成する男がいた。彼もプライベートのバイク旅と、このイベント仕事の相棒としてもう何年も一緒にツアー(!?)を回っている。『昭和40年男』の創刊号で矢吹丈のページを担当した男でもある。

「佐賀だね」「佐賀ですね」「S・A・G・A・佐賀だね」「そうですね(笑)」 この曲が佐賀人たちの誇りになっているかはわからんが、東京人の僕にとっては沢田研二さんの『TOKIO』よりインパクトがあった。だってね、ズバリ「SAGA」ですもの。こっちは“I”を使ってちょっとこじゃれた感じが鼻につきますよ、糸井重里さん!! あっ、どうでもいい話ばかりだが、ちょっとばかり長くなるので、続きはまた明日。

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