夏休みの自由研究。

冬休みの書き初めと並んで、ガキの頃大嫌いだった言葉だ。とくに自由研究はつらかった。いい想い出はまったくなく、箸にも棒にも引っかからないテキトー極まりないものばかりを提出し続けた。あの苦しみから解放されて長〜い年月を経てこの夏、僕は小学生以来の危機を迎えたのだ。『浅草秘密基地』の常連であり、秘密基地とのタイトルのグループラインの主催者である方より、突如なんの前ぶれもなくどころか、秘密基地自体の主催者である僕も何も知らされないままに、その恐怖の手紙が書き込まれた。

 

【特別企画:夏休み自由研究】
押忍(おーすっ‼️)皆さ〜ん、元気ですか〜‼️
浅草2期生、9年A組の小倉俊樹です笑😁
今回、僕は夏休み自由研究について企画しました〜パチパチ〜‼️
夏休み自由研究を期限までに審査員に郵送して、審査していただくという企画です‼️
以下、企画の詳細が続くのだが、その審査員に僕の名前が入っている。くどいようだが、事前にな〜んの話も聞いていない。これは民事事件として訴えるべきかとだいぶ悩んだが、まあ審査員ということなら僕は自由研究の提出をばっくれてもよさそうだからいいだろうと流した。そしてやがて、提出期限がやってきた。するとぬぁんと、4人の方が力作を投稿したのだ。えーっ、すげーっ。仕掛け人が出すだろうことはわかっていたが、もしかしたらそれ1つに終わるんでないのかこの企画と思っていたから、意外や意外な結果だった。

 

きっとこの4人はガキの頃、自由研究で誇らしげになれた人たちだな。いたいた、なんだかスゲーのを作ってきて、9月の人気者になっちゃう嫌なヤツ。そうだ、きっとそうだとやさぐれながら作品を拝見した。

 

エントリー1 「秘密基地の10年史」
タイトルのままの作品だ。憎っくきコロナのせいで残念ながらまだ10周年の祝杯をあげられていない読者の集い『秘密基地』の歴史を綴ってくれた。20時間もかかったとのことで、僕のつぶやきをひっくり返して情報を拾い、さらにこの10年の世相までも盛り込んだ貴重な歴史書になった。

エントリー2 「蘇る金杯」亡き父の割れてしまったお猪口をパテで埋めて削りながら成型していき、その部分に金を塗り仕上げた。きっと亡き父との想い出をフラッシュバックしながら制作したことだろう。乾くまで1週間を要したとのことだ。

エントリー3「ミッチェルのジオラマ作り」
応募者の兄貴分からもらった、ウルトラマンとケムラーのジオラマを組み立てた作品。込められた悲哀は、兄貴分がせっかくくれたフィギアのパッケージを開封した際にぶちまけてしまい、ウルトラマンの首が無くなったまま制作できず、その兄貴分と会うたびビクビクしていたそうだ。この企画で一念発起して大掃除の末首を見つけ、こうして見事に組み立てたとのことだ。

エントリー4「また会う日まで、ナポリ」
これは映像作品で、コロナ騒動直前の1月に行ったイタリアの写真のスライドショーだ。素晴らしいのは自身がウクレレで演奏したサンタルチアを採用しているところだ。ややたどたどしい演奏が感情移入させられる、これまた素晴らしい作品だった。

 

いやはや、本当に力作ばかりで当初は恐怖の手紙としか思えなかったが、終わってみれば大成功だった。コロナで秘密基地の中止が続いている中、こうしてラインでお楽しみの輪を作ってくれた小倉さんに深く感謝だ。そして決して暇なわけでないのに力を込めて制作してくれ、見る者に笑顔をくれた参加者たちにも深く感謝している。ありがとう。

 

ねっ、愉快な仲間でしょ、秘密基地参加者たちは。まだ参加したことのないみなさんは収束後に遊びにきて、このグループコミュにもぜひご参加くだされ。その日まで、あとほんのわずかだ(祈)!!

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