「猿、近頃頑張っているから褒美をとらせる」
「ははーっ」
「尾張といえば味噌、いやいや、やはり蝦夷にかぎる」
「ははーっ」
てなわけで、今日は自分へのご褒美に味噌ラーメンと半チャンのセットをご馳走した。信長様より近頃頑張っているとお誉めいただいたのは、このつぶやきでは度々話題に上るダイエットだ。だいぶいい線にまで落とせている。
でもね、そんなに頑張りすぎちゃいけないなと今日はご褒美だ。こうしてたまに逃がしてやった方がストレスにならなくていい。ましてや、この昭和な味噌ラーメンとチャーハンのザ・しょっぱいコンビを出す店は、解体が決まっている貿易センタービルの地下食堂街にある。もう少しの月日が経ってしまうと、この昭和なベストコンビが食えなくなってしまうのだ。と、僕はこの2つの逃げ口上を自分に、念仏のようにつぶやき続け、若干の罪悪感を抱えつつ札幌本舗に出かけた。そしてついさっきまで味噌ラーメンだけで我慢しようなんて思っていたくせに、着くなりおばちゃんに「味噌半チャンください」と告げたのだった。
スープを一口いただくと「しょっぱっ。でもホント、昭和なんだよな」と思わず声に出そうになる程まっすぐだ。上に乗っている野菜からいただくベジファーストは貫くものの、こんな組み合わせでオーダーしたってのに関係あるのかと自分にツッコむ。野菜とスープをしばし楽しんだら、魔法のネギ味噌を投入だ。これがあるからなお点数が高くなる。甘さはまったくなく硬派に辛い。僕は辛いのが好きだが弱く、こいつを投入すると店のおばちゃんが心配するくらい汗ダラダラで、扇子と大きな手ぬぐいがここに行くときの必需品だ。辛いのが好きな方は、ドバッと入れて楽しんでくれ。たまにテーブルになく冷蔵庫に引っ込んでいるときがあるが、そんな時は遠慮せずに要求しよう。
そして以前つぶやいた、ここの絶品チャーハンがまたいい。味噌ラーメンに勝るとも劣らずなしょっぱさで、味の濃いチャーシューも惜しげも無くぶち込まれて塩分たっぷりである。味噌ラーメンのスープも残さずいただくから、おそらくこのセットは成人男子の理想の塩分摂取量2日分くらいが取れるだろう。食べ終わってベルトがきつくなった今、若干の後悔と満足感が共存している。何日か分の努力を一瞬にして無にしただろうが、聖人君子になんかなれないぜ!! 戦士の休息だと片付けて、明日からまたダイエットに励むことにする。はーっ、ごちそうさま!!