鈴鹿8耐中止に考える。

毎年7月の最終週末に開催される、バイクの夏の祭典「鈴鹿8耐」が11月の頭に延期になった。ルマンなどで有名な耐久レースは世界を転戦するシリーズ戦で、鈴鹿は数年前よりその最終戦と位置付けられている。ルマンなどの24時間耐久に対して、8時間はマシンの作り方がずいぶん異なる。大雑把に言えば、24時間もたせるのと8時間を速く走らせる違いだ。世界最速の耐久レースと呼ばれ、しかも灼熱だからライダーは想像を絶する体力勝負となる。燃費とパワーをバランスさせるマシン作りや、タイヤ対策などなど作戦面での駆け引きも見所で、毎年の熱戦はやっている方には過酷極まりないが、観ている方には楽しいったらない。そのレースが灼熱でなくなる。寂しいなと思う反面、低気温の中で恐ろしいスピードの耐久レースとなることに大きな期待を寄せていた。…が、つい先日中止が発表されてしまった。

 

またかっ、憎っくきコロナめ。オラの楽しみ返せーっ!! だがまあ、仕方なしだなと諦められるくらいもう慣れっこになっている自分が怖い。そして考える。ここまでで中止なったイベントやレース、取材などで使うはずだった時間はどれくらいあるだろう。読者の集い「浅草秘密基地」ひとつ取っても、約5時間×明日で20回目の中止だから、100時間も得ていることになる。つまり4日以上の貴重な時間を獲得したのだ。もちろんその時間が基地に与えられていれば、ガハハで元気になり情報が得られ、仲間が増えていくのだから費やす価値の大きな時間であることはあたり前田のクラッカーである。だが時は金なりと考えればずいぶん得したことになる。

 

レースがあれば、最低でも2日間の取材となり、僕は年に4~5戦出かけるプログラムをしていた。主催共催のバイクイベントも、年間に少なくとも10本以上がプログラムされていたから、これもほぼ2日かかる大仕事だ。「鈴鹿8耐」が開催されていたら4日間の鈴鹿にこもっていたはずだ。さらにさらに、出張も激減した。コロナの影響でボツになったこれらを時間に換算すると、現段階で決まっているだけでも軽〜く1ヶ月以上の日数をもらったことになり、令和2年はこのままでいくと14ヶ月ほどを生きる年になりそうだ。どうりで、こなしている仕事量が多いはずだ。なんだかすげー忙しいもの(笑)。

 

慣れっこになった自分が怖いと前述したが、こうして考えるとどーんと来やがれとも思える。何事もポジティブにガハハで構えればいいのである。これでいいのだ。でもね、やっぱり『鈴鹿8耐』の中止は悲しいと思ってしまう。だってね、人間だもの。

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1件のコメント

  1. そりゃそうですよね?ホント残念。
    真夏のイベントでレース後の花火を観て、夏が終わった(TT)と夏が始まったばかりなはずなのに、思ってしまうレースで、Kawasakiファンには昨年できなかった、シャンパンファイトを今年こそ見るんだ!って思っていましからね。
    それもこれもコロナのおかげで、今まで体験したことのない時代を過ごさせてもらっています(^^)
    でもやっぱり8耐観たかったなぁ。。。

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