まだまだ続く、しつこい巳年による大編集後記をお送りする。特集の「俺たち腹ペコ世代」は、3章で構成して前後に序章と終章で挟み込む構成にした。序章では『孤独のグルメ』の作者の久住昌之さんにご登場いただいた。久住さんがここで語ってくれた内容は、今回の特集主旨を踏まえたまさに序章にふさわしいもので、深く感謝している。特集冒頭のページで、僕は “俺たちの成長期は戦後ほどでないにしろハングリーだった” とした。まるでそれを受けてくださったかのように、まだまだ貧しい中で育てられた食に対する感性について触れてくれ、それが『孤独のグルメ』のセンスに色濃く出ていることを頷かされたのだ。
この4ページに続き「俺たちが歩んだ食文化」「俺たちが囲んだ食卓」、そしてPART 3は「作品の中の食」として、俺たちの成長期にブラウン管の中やマンガ雑誌などから見た食を網羅した。その中でも俺たちに影響を与えたファーストアタックとして塩見味平の存在は大きく、このパートの頭を飾る「食マンガHISTORY」でそのトップに起用し、さらにはビッグ錠さんのインタビューを掲載した。
通常(!?)の『昭和40年男』だったら、この章がトップを飾っただろう。今回はテンポを演出したかったのと、表紙で味平を起用しているから終盤にしたいと考えた。これは先日リリースした総集編の『俺たちが惚れた昭和の男たち』の手法と一緒で、甲斐よしひろさんに表紙を飾っていただき、第1章のトリに起用したのだ。
ご覧のとおり穏やかな表情の昭和14年男で、今回の本づくりには実に多大なるご協力をいただいた。先日つぶやいた、4種類のすげー表紙も公開させていただいた。表紙職人(!?)の僕は、常々ボツになった作品もみなさんと共有したいと夢描いていた。苦労と工夫を重ねて作り出すのだから当然の気持ちだが、なかなか壁は高くほぼ実現できない。今回はそれが実現したのだから、強く感謝である。
このインタビューでは『包丁人味平』の作者だから語れるネタが満載だ。また、懐かしの作品を振り返るコマも多く採用していて必見だ。というより、コミックスを手に入れるべきだろうな。昭和の食との触れ方と誌面からあふれ出てくるパワーを再認識すべきだ。ぜひっ。あっ、最新号を手に入れてない方はこちらもぜひっ!!