日曜日ですな。新型ナンチャラがやかましくて家にこもって過ごしている方も多かろう。そんなみなさんには、サイコーの退屈しのぎマガジン、『昭和40年男』がある。今日くらいまではどんなに早く返本してしまうコンビニも置いているはずだし、書店さんにはたっぷり積まれているはずだから、朝のうちにゲットして今日という一日を充実させてくれ。さあ、元気に最新号のPRとなる大編集後記だーっ。
昨日つぶやいた特集扉に続いて、序章として『孤独のグルメ』作者の、久住昌之さんが登場だ。まさに序章と呼ぶにふさわしく “昭和のグルメと食事事情” を語っていただいた。なるほど必読である。このページに続いては、見開き展開でテンポを作る作戦に出た。『昭和40年男』では珍しい作り方で、こうした企画は中盤や後半に入れ込むことが多いのだが、とらわれることなく変化を好む僕だ。小気味いい展開だと評価していただけると嬉しいな。
その冒頭となるのが俺たちが体験した「昭和グルメヒストリー」だ。昨日つぶやいた扉で、今回の特集の主旨を書いている。簡略化すると、俺たちが食って育った時代は戦後の貧困こそ完全に抜け出せたが、まだまだ貧しさも残っていた。そんな時代に、雨後の筍のごとくニューフードが現れたからたまらない。ブラウン管や街角に、常に新しい魅惑のフードを見つけては身悶えた。そのハングリーさから抜け出して、いつでも美味いものを食える明日を目指したことこそが、俺たちの明日へのパワーだったとした。そう、食い物においてもワクワクドキドキの時代と、俺たちは成長期がシンクロするのだ、ああ、幸せ!!
そんな歴史を見開きで追いかけたページだ。きっと、ああ、あったなとワクワクすることだろう。ここでみなさんに問いたい。最もエポックだった食いものは? 僕は小4ぐらいだっただろうか、最寄りの町屋駅近くにできたマクドナルドに、爆弾を落とされたようなショックを受けた。犬猫が街から消えたと、クラスでまことしやかに流れた都市伝説も懐かしい。
ある日、ハンバーガーとポテトとシェイクが食えるクーポン券が手に入り出かけた時こそ、僕にとっては最もエポックだ。シェイクはチョコレートをオーダーして、魅惑の3点セットが載ったトレイを持ち、2階のテーブルに腰掛けた小学生2人だ。誘った彼も初体験で、我が家に舞い込んだクーポンのおかげでのマックにかなり緊張気味だった。シェイクってアイスクリームじゃん。すげーと興奮し、ポテトはそれまで食っていた冷凍食品はもうポテトとは呼ばないと思った。そしてハンバーガーの完璧なバランスと、何より僕を驚愕させたのはピクルスのうまさだった。「これが、アメリカなんだ」と、僕の人生に初めてリアルなアメリカが入り込んだ瞬間だった。
と、そんな思い出がきっとみなさんにもあるはずだ。そいつを見つけに行こうぜベイビー。さあ、書店・コンビニへと走れっ!!