【S40News!】ニコンがミラーレス一眼市場に参入。

ニコンイメージングジャパンは、レンズ交換式アドバンストカメラ『Nikon1』を発表した。エントリー機の『Nikon 1 J1』と上級機の『Nikon 1 V1』の2機種がラインナップされ、10月20日より順次発売される。価格はいずれもオープン。

同社では「従来のミラーレス製品とは異なる、レンズ交換式アドバンスドカメラ」とコメントしているが、実質的にはオリンパスのPENシリーズ、SONYのNEXシリーズ、パナソニックのLUMIXシリーズなどのいわゆるミラーレス構造のレンズ交換式デジタルカメラに属するモデルといっていいだろう。ミラーレスは一眼レフカメラと同じように、望遠や広角など撮りたい写真に合わせてレンズを交換できるのが特徴。ミラーを必要とするファインダーを割り切ることによって、大幅なコンパクト化を図った製品だ。08年頃から製品化が進み、2011年の国内出荷台数は80万台程度で、一眼レフとほぼ同水準となる見通しとなっている。

さて、『Nikon 1』は新開発の“Nikon1マウント”を採用する。撮像素子も有効画素数1,010万画素を持つ13.2×8.8mmサイズの“スーパーハイスピードAF CMOSセンサー”を新開発。一眼レフ中級機やソニーのNEXシリーズが採用するAPS-C規格や、オリンパスやパナソニックが採用するマイクロフォーサーズ規格より小さく、一般的なコンデジの採用する1/2.3型よりは大きいというサイズ。これにレンズ交換式デジタルカメラとして世界最多となる撮像面位相差AF(73点AF)を搭載することで高速な合焦を実現している。また、位相差AF以外にコントラストAFにも対応しており、輝度の低い条件でも撮影しやすいという。画像処理エンジンには“EXPEED 3”を新開発。常用ISO感度設定は100〜3200までで、6400相当まで設定できる。フルHD(60i)での動画撮影も可能だ。

レンズは下記4本をラインナップする。実撮影画角はレンズ焦点距離の約2.7倍。

35mm判換算で焦点距離27mm相当の単焦点レンズ『1 NIKKOR 10mm F2.8』
35mm判換算で焦点距離27-81mmに相当し、手ブレ補正機構「VR」を搭載する『1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6』


35mm判換算で焦点距離27-270mm相当の10倍ズームレンズ『1 NIKKOR VR 10-100mm F4.5-5.6 PD-ZOOM』
35mm判換算で焦点距離81-297mm相当の3.7倍ズームレンズ『1 NIKKOR VR 30-110mm F3.8-5.6』


この他に、別売のマウントアダプター『FT1』を使用すれば既存Fマウントレンズも装着できるので、ニコンの一眼レフユーザーならばレンズの選択肢が大きく広がるだろう。

キヤノンとニコンは、これまでこのミラーレス一眼市場を傍観する立場をとってきた。それは、同2社が得意とする高性能な一眼レフカメラ市場を侵食する恐れがあったからだ。しかし、ここまで市場が大きくなってきた以上、参入せざるを得ないという判断が働いたといえる。今回のニコンの参入で、キヤノンがどのような動きを見せるかが今後注目を集めそうだ。

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