最新号にご登場いただいたゴーバンズの森若香織さんを起点にして、女性ロッカーやガールズバンドの記憶の旅へと出てしまった。昨日はアン・ルイスさんが俺たちにとって極めて重要な存在だとつぶやいた。思わぬ連載のようになってしまったこの旅だが、今日でひとまずピリオドにしよう。
『ラ・セゾン』がヒットした前後に、山下久美子さんや白井貴子さんのような女性ロッカーがデビューしてお茶の間を賑わし、学園祭を総立ちにさせていた。シナロケも全国のロッカーたちに、最高のパフォーマンスを連日打ち込んでいた頃だ。いよいよ本格的な女性ロックの時代が到来したのだ。続くように、80年代の中盤になるとガールズバンドのプリンセス プリンセスやショーヤなんて元気のいいお姉さまが出てくる。当時組んでいたうちのバンドのギタリストが、写真の風体には似合わずプリプリの大ファンでうるさいったらなかった。自分の好んだ音楽をメンバーと共有しようとするのは当時の流儀であったが、ヤツのプリプリ好きには閉口させられるほどだった。が、実は僕もお気に入りのお姉さま方だった。
女性ヴォーカルを擁したスーパーバンドも同じ時期にデビューして、チャートを引っ掻き回した。バービーボーイズだ。バービーの疾走感のあるリズムは、まるで洋楽そのものでえらく気にいった。男女ツインヴォーカルのよさも最大限に活用されていて、ゾクゾクする曲ばかりを次々に打ち込んできた。こんなバンドが日本から出てくるんだなんて、上から目線で喜んだりしたものだ。
もうひとつが、なんと言ってもレベッカですな。NOKKOはジャニス・ジョプリンを想起させるほど強さに満ち満ちていて、お気に入りのヴォーカリストリストに入った。たらればではあるが、初期のギタリストの木暮さんがそのまま弾いていたらどんなバンドになっただろうなんていつも思っていた。そう、レッド・ウォーリアーズも僕は大好きだ。当時ライブ映像で観た『プライベイト・ヒロイン』にノックアウトされた。サビでのNOKKOのぶん回し唱法(!?)は、つい先ほどもユーチューブで観て涙が出た(すぐ泣く)。プリプリと同じく、バンドのメンバーから押し込まれた同曲収録のアルバム『メイビー・トゥモロー』はずいぶん聴き込んだものだ。
この流れから一昨日のつぶやきへと戻る、ゴーバンズが86年にデビューしたわけだ。ここに挙げた以外にも、魅力的な女性シンガーやガールズバンドがニョキニョキと出てきて、89年にはイカ天が始まった。うん、なんとエキサイティングな時代だろう。欧米同様に日本のロックシーンも地殻変動を起こしていたのだな。熱い時代をリアルタイムで感じられて、俺たちったら幸せだなあ!!