悪魔に魂を売り渡した罪深き僕が送る、今回の3番勝負である。禁断としたはもちろん、こんな対決をさせては本来ならないからであり、でもやっちゃっているのだから大いに盛り上がりたいところだ。さてさて、この勝負の3つ目はまさに、昭和40年男にとって禁断この上ない対決である。さあ、どうする? 諸君。
創刊号でインタビューが実現した本郷猛こと、藤岡弘さんの取材現場には立ち会えたが、残念ながら一文字隼人さんこと、佐々木剛さんのときは別取材に出かけていてくやしい思いをしたものである。
ご存知のことだと思うが、初代の仮面ライダー1号は藤岡さん自身がライダーの中に入って演じていた。今の時代から考えると驚愕である。そして事故が起きた。バイクの走行シーンでこけたとき、足が逆を向いていたとのこと。それをヤバいと手で戻したときに意識を失い、気が付いたときはベッドの上で、急遽仮面ライダー2号が登場となったわけだ。そんな2人なのである。
インタビューのときに藤岡さんが、本当のヒーローはショッカーだったとの言葉は響いたなあ。自分は厚いスーツに身を守られているのに、ショッカーたちはタイツ1枚で石の転がった地面へと飛んでいきあざだらけだったと。そのショッカーたちは、ひからびたような焼鮭がひとつだけ乗った弁当を撮影後に食べて、すぐに稽古場へと行くんだと。いやあ、涙の瞬間でしたよ。
この雑誌を立ち上げて本当によかったと思うことがいくつかあって、そのひとつが奇跡が起こる瞬間の証言をいくつも聞けることだ。爆発的なヒットの裏には血のにじむような努力や、力のすべてを注ぎ込むような思いの強さがあり、奇跡とは必然で起こることだと習うことばかりだ。それを創刊号の取材でいきなりで聞けて、インタビュー帰りは、『昭和40年男』の成功を勝手に確信して寿司屋で祝ったほど、うれしい気持ちになった。
そんな大恩ある藤岡さんを対決の対象にするとは、フッフッフ、俺は相当なワルだぜ。さあみなさん、大いに悩んで投票して頂戴。