1980~90年代に「手をつなぎたくなる~♪」というCMソングで人気となったテレビコマーシャルを憶えていますか? ライオンが73年に発売開始した食器洗い洗剤「チャーミーグリーン」のCMです! 初期のバージョンでは、若い夫婦がダンスをしながら手をつないでいるのを微笑ましく見つめる年配のご夫婦…というシチュエーションでした。90年代のバージョンでは、老夫婦が手をつないで仲睦まじく歩くシーンが微笑ましく、「自分も年をとったら、こんな夫婦になりたい」なんて思った人も多かったのではないでしょうか。夫婦共に健康で、仲良く楽しく暮らせたら…誰もが願う理想の家庭像ですね。
おそらく…あくまで想像ですが…中年の男性、とかく昭和40年男世代は、「手をつないで歩く」ということに多少抵抗があるというか、テレがあるというか、なんとなく避けてしまっている人が多いような気がします(すみません、単なる先入観です…)。結婚前は、デートなどで手をつないで歩いたこともあるはずなのに、なぜか夫婦になってしまったらそういうこともなくなって、55歳にもなって今さら…みたいな感じでしょうか? もしそう思っている人がいたとしたら、そんなこと言わずに、「手をつなぐ」ことのメリットを知って、感染予防に配慮しつつスキンシップをとってみませんか!
スキンシップが身体に与えるメリットとは
スキンシップは自律神経を安定させて、副交感神経を優位にすることでリラックスできるというメリットがあると言われています。そしてリラックスするということは、健康のうえでとても大切である免疫力を上げてくれることも知られています。以前、犬の不思議なチカラ!の巻で「オキシトシン」というホルモンについて書いたことがありますが、これは犬と人間に限らず、もちろん人と人の間においても身体が触れ合うことによって分泌される「幸せホルモン」なのです。このオキシトシンが分泌されることによって次のような効果があると言われています。
- 幸せな気分になる
- 脳・心が癒され、ストレスが緩和する
- 不安や恐怖心が減少する
- 他者への信頼の気持ちが増す
- 社交的となり人と関わりたいという好奇心が強まる
- 親密な人間関係を結ぼうという気持ちが高まる
- 学習意欲と記憶力向上
- 心臓の機能を上げる
- 感染症予防につながる
この最後の項目「感染症予防につながる」という効果には、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている今、最も目を引く項目ではないでしょうか。
「コロナ離婚」を吹っ飛ばそう!
最近は外出を自粛する人も多く、出かけることといえば近所のスーパーなどに買い物に行く程度…という人が多いと思いますが、運動不足を解消するために買い物も徒歩で行ったり、近くの公園を散歩するという人も見受けられます。そんななか、ご夫婦もしくはカップルなどで手をつないで歩いている人がとても多いことに気がつきました。「コロナ離婚」などという、あまり穏やかではない現象も起きてしまっているようですが、そんな時だからこそ、あらためてスキンシップで絆を深めている人もいるんですね。前述のCMを彷彿とさせるような光景が意外と身近にもあったのです。
人の手というのは、不思議な力をもっていると思いませんか? ケガや病気を治すことを「手当てする」と言いますが、お腹が痛い時、歯が痛い時、腰痛の時なども自然と痛い部分に手を当てて押えたりさすったりします。そうすることで、痛みがやわらいだりすることもありますよね。そんな手と手をつないだら?癒されパワーというか、なんというか、幸せホルモン・オキシトシンが分泌されるというイメージが湧いてくるような気がします。
「手をつなぐ」こんなゆる~いがんばらなくてもいい健康法があるんです! 今は人との距離をとることを求められていますが、マスクをする、手を清潔にするなどの基本的な対策をすれば、手をつなぐこと自体をそんなに恐れることはないと思います。さらに、こういった状況が緩和されて、多くの人との交流が気兼ねなくできるようになったら、家族はもちろんですが、友人や仲間たちとも積極的にスキンシップやコミュニケーションをはかりたいですね。人と関わることが、心と身体の健康にとって大切な要素のひとつであることは間違いないのですから!