36年近くになる長きに渡って、重大な勘違いをしていたことが一昨日判明した。こういうのにプチ幸せを感じてしまうのはおっさんだなあ。ことの始まりは3月に発売したvol.60で大江千里さんのインタビュー記事を掲載したことからだ。
僕の大好きな企画『ガツンと一言。兄貴の説教』に登場いただいた。ちょっとそれるが、今回の記事はまさしく僕が目指す兄貴の説教になっていて素晴らしい。ライティングはタメ年ライターの濱口によるもので、きっと6ページでもいけただろうと思わせるほどぎゅっと詰まっている濃密な4ページだ。女子大生に響く音楽を作っていた王子様が、47歳にしてニューヨークの学生に戻りジャズミュージシャンを目指した。そして見事デビューして、年月とともにその評価がどんどん上がっているストーリーに、同世代諸氏はきっと勇気がもらえるはずだ。ましてや、こんなご時世だからなおさらだろう。“なせば成る、なさねば成らぬ何事も”の、典型のような話をまだ読んでいない方はぜひコチラから!! あっ、11日はその次の61号の発売だからご一緒にどうぞ(笑)。
SBS信越放送の午後の情報番組『らじ★カン』という番組に、毎週火曜日ゲスト出演している。毎回前日にテーマを振られるのだが、一昨日は大江千里さんの生き様をネタに語り合おうということになった。となると下準備をせねばならぬ。最新アルバムは酒を飲みながら何度か聴いたが、過去の王子様時代も少しさらっておきたいと時空の旅に出た。
彼がメジャーデビュー(1983年)して時代に乗っかっていくキラッキラの頃、僕は毎日ゴミみたいに生きていた。ゴミみたいは我ながら言い過ぎかもしれないが、ちょうどこのデビュー年の高3春から上野の居酒屋で働き始めた。音楽スタジオにこもって、たまに光を浴びるのは小汚いライブハウスという暮らしだ。同級生のほとんどは翌年大学に進学して、キラッキラな日々を謳歌し始めた。オールナイターズによって憧れのブランドになった女子大生ってやつに、かつての同級生たちが昇格して僕の店にもチラホラくる。さも、普段はギロッポンに繰り出して踊っているんだけど、今日は上野で済まそうかなってなオーラをまとってだ。「ふーん、まだ音楽やってんだ」とか言われたりして、みんななんで上から目線になるんだろうなんてやさぐれていた。そんな女の子たちに愛している音楽を聞くと(一応リサーチ)、大江千里さんの名前をちょくちょく聞いた。居酒屋のBGMで使っていた有線放送によってそのヒット曲の数々にはふれていたから、女子大生が支持するのは理解できた。
長い長い前振りのような話にお付き合いいただきありがとう。一昨日大江さんを調べながら『十人十色』のヒットがスターダムのきっかけだと知り、どんな曲だろうと聴いてみたら有線から流れていた知り尽くした曲だった。そして冒頭へと戻ろう。サビの♪ジュウニントイロを僕は一昨日まで、♪チョコレートイロと信じていた。さすが女子大生に支持される大江さん、真っ黒でないあの微妙な色とチョコレートの甘さを引っ掛けて曲にするんだなあと思っていた僕の解釈がガラガラと崩れた。ここ数日は♪ジュウニントイロとジングルしているのであーる!!