さあ、いよいよ全国の書店に並んだぞ。9度目の勝負が始まったのである。今号もたくさんのチャレンジと工夫を凝らした。とくに表紙はこれまでの8冊とガラリと変えてみたから、書店をよーく探してくださいね。
懲りずに今日も最新号の解説とさせていただこう。注目いただきたいのが132ページにドーンと展開された見開きの写真だ。スゴイでしょ。バケツを引っくり返したとの表現どおり、もうね、この1枚を撮るためのセットかよってくらい強く降ってくれた。神社というシチュエーションも完璧である。現場でのこの瞬間に、頭の中ですでにページはでき上がっていたのだ。横位置で撮ってほしいと、カメラマンの武田に伝えた。雨ツブをしっかり撮ってほしいとも付け加えた。見開きページを写真で展開するのはかなりの勇気がいる。もしも文字でビッシリ埋めたらかなりの情報量になることはいうまでもない。その情報量と天秤にかけて価値を感じたときにだけ展開できる手段だと考えている。この雨にはそれがあると判断したから、武田に伝えたのである。「見開きありえるからさ」と、現場ではそんな感じでアレコレ考えながら動いているのである。
やらせなしのホントの徒歩旅である。途中クルマで移動しちゃったりしないのと聞かれるが『昭和40年男』編集部はそんなこと絶対にしないのである。前に、キャンプシーンの取材でテント前で撮影を済ませると、撤収してホテルへ移動する編集部が存在することを知り、愕然としたことがあった。いや、もしかしたらそれでいいのかもしれない。疲れを少しでも軽減して翌日のロケにあたる方が正解かもしれない。カッコいいシーンさえ取れれば、読者には十分に伝わるだろうしね。だができ上がった記事を見て、僕だったら絶対に嫌な思いをする。単なるマスターベーションかもしれないが、そんなひとつひとつが本のパワーになっていくのだと信じているから、こうして堂々と記事をつくっている。と、そんな『昭和40年男』は今日発売です。